日米野球はアメリカが5連勝し、ベーブルースの来日時代以来72年ぶりの全勝記録で終了しました。
5戦を振り返って、アメリカの素晴らしいパワーが日本を圧倒したことはもちろんですが、戦う前から日本は負けるべくして負けたという感じを強く持ちました。せっかく選ばれてやってきた全米球団に対して日本球界は大変失礼なことをしたのではないでしょうか。
負けるべくして負けた原因を私の独断と偏見でまとめて見ました。
第1は日程です。日本シリーズが終わった8日後に日米野球が始まりました。日本シリーズが日本ハムの4勝1敗で終了したため8日間の余裕がありましたが、もし7戦までいったときはわずか4日の余裕しかなかったことになります。引き分け試合でもあったらさらに窮屈になったでしょう。また日米野球の終了した翌日から、日本、韓国、台湾、中国の優勝チームによるアジアシリーズがはじまりました。さらに日米野球の開催中にパリーグの東西対抗が行われました。これだけ試合が立て込んだ場合、選手も観客も試合に集中できません。果たしてこの時期日米野球をやる意味があったのでしょうか。主催者の一角に読売新聞社が入っていましたが、読売のごり押しがあったのでしょうか。
第2は選手の選び方です。
日米野球の選手がオールスターにも選ばれたか |
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日米野球 |
オールスター |
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合計 |
オールスター選出 |
オールスター非選出 |
人数 |
投手 |
12 |
(5) |
(7) |
22 |
捕手 |
3 |
(3) |
(0) |
5 |
内野手 |
8 |
(4) |
(4) |
19 |
外野手 |
4 |
(2) |
(2) |
12 |
合計 |
27 |
(14) |
(13) |
58 |
上の図は日米野球に選ばれた選手が何人今年のオールスターに選ばれていたかを示したものです。なんと27人中、半分弱の13人は58人もいたオールスターに選ばれてなかったということです。これでは全米チームに勝てるわけはありません。試合をみていて、セリーグ4位の巨人とパリーグ最下位の楽天の選手がやけに目に付きましたが、27人中それぞれ4名が両チームの選手でした。セリーグ1位の中日からは1名も参加していませんでした。全米は1軍半の全日本と戦ったのです。
第3は選手の心構えです。選手からは勝ちたいという意欲が伝わってきませんでした。これは選手だけに責任をかぶせるのは気の毒かもしれません。日程や選手選抜方法や監督にも責任はあります。しかしやはり選手の心構えも問題でした。
辞退者 |
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日本 |
10 |
(内7名はファン投票辞退選手) |
アメリカ |
3 |
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上の図は日米野球に選ばれながら辞退した人数です。
日本の選手に辞退が目立ちます。辞退者10名中ファン投票で選ばれた選手が7名もいます。辞退の理由は2名がアジアシリーズ準備となっていますが、残りは怪我や故障の治療のためとなっています。本当に怪我で出場できない人もいたかもしれませんが、出るつもりになれば出られた人もいたでしょう。せっかくメジャーリーグと戦える機会を生かして、ここで活躍してやろうという選手は少なかったように見えました。
第4は監督です。野村監督は意欲も熱意も信念もショーマンシップも見えず最低の監督でした。勝つ姿勢はなく、といってお祭りを楽しんでもらおうという見せ場も作りませんでした。何でパリーグ最下位の監督を選んだのでしょうか。おそらく他チームの監督も選手同様日米野球を敬遠したためだったのではないでしょうか。
今年は王ジャパンのWBCがありました。ここで十分国際試合を楽しみました。何も無理して日米野球を企画することはなかったのではないかと思っています。
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