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2006年12月30日 (土)

高杉良の小説

 いよいよ平成18年も終わりに近づきましたね。

 平成18年は81冊の単行本を読みました。多分現役を離れた後ではもっとも多い数だと思います。そのほとんどは小説です。小説の中では高杉良に熱中しました。7月22日に、東京オリンピック招致の最大の功績者のフレッド和田さんを描いた「祖国へ熱き心を」を読んでから、図書館で高杉良の小説を借りまくりました。5ヶ月ほどの間に34冊を読みました。

 高杉良の小説は経済小説というジャンルに入るそうです。そのほとんどは日本の大企業をモデルとして、実名または仮名で企業の内情が赤裸々に語られます。私の学生時代の友人が実名で登場する小説もありました。綿密な取材で、実際の事件を背景にしているだけに、迫力があり、説得力があります。それに何より面白いです。まだの方はぜひ読んでみてください。

 お正月用にはちょっと欲張って「欲望産業 上下」と「小説通産省 烈風」と「続・金融腐蝕列島 再生 上下」を借りてきています。

 以下に今年読んだ小説をまとめてみました。なお、仮名で書いた小説については、高杉さんは巻末に「この作品はフィクションです。万一、現実の事件ないし状況に類似することがあったとしても、全くの偶然にすぎません」と注釈を入れています。

今年読んだ高杉良の小説
番号 タイトル 実名/仮名 モデル
1 祖国へ熱き心を 実名 フレッド・勇・和田
2 いのちの風 仮名 日本生命/弘世源太郎
3 勇気凛々 実名 ホダカ物産
4 不撓不屈 実名 TKC/飯塚毅
5 消費者金融クレジット社会の罠 実名 消費者金融/玉木英治
6 会社蘇生 仮名 大沢商会/三宅省三
7 大逆転 実名 第一銀行・三菱銀行/島村道康/長谷川重三郎/田実渉
8 金融腐蝕列島 仮名 住友銀行/磯田一郎
9 小説・ザ・外資 仮名 外資金融会社
10 大合併 実名 第一勧業銀行/井上董/横田郁
11 辞表撤回 実名 日本交通公社/丸山敏治
12 虚構の城 仮名 出光興産/不明
13 金融腐蝕列島Ⅱ呪縛上 仮名 第一勧業銀行
14 金融腐蝕列島Ⅱ呪縛下 仮名 第一勧業銀行
15 新巨大証券上 仮名 四大証券
16 新巨大証券下 仮名 四大証券
17 王国の崩壊 仮名 三越/岡田茂
18 銀行大統合 実名 興銀・第一勧銀・富士銀/西村/杉田/山本の三頭取
19 生命燃ゆ 仮名 昭和電工/垣下怜
20 濁流 上 仮名 経済界/佐藤正忠
21 濁流 下 仮名 経済界/佐藤正忠
22 人事権 仮名 損保会社
23 明日はわが身 仮名 製薬会社
24 青年社長 上 実名 ワタミフードサービス/渡邉美樹
25 青年社長 下 実名 ワタミフードサービス/渡邉美樹
26 ザ・エクセレント・カンパニー 仮名 東洋水産/森和夫/深川清司
27 辞令 仮名 会社はソニーを参考
28 あざやかな退任 仮名 モデル不明
29 管理職降格 仮名 銀座松屋又は松坂屋
30 燃ゆるとき 実名 東洋水産/森和夫
31 指名解雇 仮名 パイオニア
32 首魁の宴 仮名 経済界/佐藤正忠
33 対決 仮名 中央化学工業(モデル不明)
34 懲戒解雇 仮名 三菱油化

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2006年12月25日 (月)

冬の手賀沼の一日

 クリスマスイブの平成18年12月24日、暖かい冬の日に誘われて手賀沼の冬鳥を見に手賀沼を1周しました。ブログとホームページの取材をかねていました。手賀沼は周囲約20キロ、おんぼろ自転車で写真を撮りながら、約2時間で1周できました。

Dc122405_1  水のきれいになった手賀沼には、冬の間多くの水鳥がやってきます。カモ類が多いのですが、ユリカモメもやってきます。ユリカモメは可愛い顔をしていますが、性格は性悪で、ほかの鳥の餌を横取りしたり、ほかの鳥を追い払ったりします。かもを目当てに餌を投げても、ユリカモメのほうがすばしっこいのでなかなかかもが餌を食べられません。

Dc122423  手賀沼は細長い沼です。我孫子側には昔からの遊歩道があります。木や草花が多く変化に富んでいますが、道は広くありません。一方沼南側には昨年道幅の広い遊歩道が完成しました。歩道と自転車道が白線で仕切られており、お互い自転車や歩いている人を気にすることなく通行できます。

 日曜日とあって、ウォーキング、ジョギング、ランDc122443 ニング、サイクリングなどの人々で賑わっていました。沼南側ではローラースケートでツーリングを楽しんでいるグループも見かけました。我孫子側には大勢で双眼鏡と案内書を持ってバードウォッチングをしている人たちもいました。

 周囲には手賀沼公園、柏ふるさと公園、沼南道の駅、フィッシングセンター、鳥の博物館、水の館、北千葉導水路ビジターセンターなどがあります。ぜひ一度お出かけください。

 詳しくは私のホームページ「手賀沼へいらっしゃい」

http://members3.jcom.home.ne.jp/ynitta/

をご覧ください。

 な お、このブログの写真はクリックすると大きくはっきり見えます。

 

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2006年12月22日 (金)

千葉大学柏の葉診療所

 先日千葉大学柏の葉診療所に行ってきました。つくばエキスプレスの柏の葉キャンパス駅から徒歩5分、東洋医学つまり漢方を中心とした診療を実践する診療所です。平屋建ての落ち着いた建物で、緑の自然豊かな千葉大学環境健康フィールド科学センター(柏の葉キャンパス)の中にあります。

Zenkei  千葉大学柏の葉キャンパスは環境と健康をテーマに幅広い分野で教育・研究を推進する千葉大学の拠点として、その成果を社会に還元し、人々が健康に生きることに貢献していくことが使命です。近くには東京大学柏の葉キャンパスと県立柏西高校があります。

 この診療所はフリーの外来診療は行っていません。前もって申し込み、空き順番が来たら診療してもらえます。あけぼの会の家田さんご夫妻に千葉大柏の葉診療所があることをうかがいご夫妻のご紹介で申し込みました。申し込んでから約3ヶ月近く待って診療していただけることになりました。

 診療所内はゆったりとした雰囲気、混雑が当たり前の一般病院とは全く趣が違います。予約した時間の30分前に行って、問診表に書き込んだり予診をしたあと、30分以上かけて診察していただけました。現在の病気の症状だけでなく過去の病歴や過去飲んだ薬などを示し、診断の参考にします。

 いただいたくすりは当然のことながら漢方薬です。一般の病院でもらえる、1回ごとに飲む顆粒の漢方薬ではなく、1人1人の病状や体質に合わせて調合された生のままの漢方薬です。2日分を1度に煎じます。1000CCの水を入れ、400CCになるまで煎じます。強烈なにおいが出て、かなり飲みにくい液体になります。まさに「良薬は口に苦し」でした。

 西洋医学では直りにくい病状を漢方薬が治してくれることを信じる毎日です。

 写真はクリックすれば大きくはっきり見えます。

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2006年12月15日 (金)

貸金業法成立で感じたこと

 平成18年12月13日、貸金業法が成立しました。 読売新聞には14日付で次の記事が出ていました。

 「貸金業者への規制を大幅に強化する改正貸金業規正法が13日、参院本会議で可決、成立した。2009年末までに貸金業の上限金利は大幅に引き下げられ、多重債務者の新たな発生を防ぐ大きな効果が期待されている。ただ、上限金利の引き下げは、貸し渋りという副作用も懸念されている。政府は年内に多重債務者対策本部を設置して、家計破綻が続発しないための安全網作りを急ぐ。」

 9月9日のブログで「グレーゾーン金利は廃止すべき」という意見を述べました。グレーゾーン金利とは、利息制限法の上限金利20%と出資法の上限金利29.2%の間の金利がグレーゾーン金利で、今回の改正でも貸金業者や族議員の要請を受けて8年間は温存しようとしていたのです。

 この金融庁の姿勢はマスコミや世論からたたかれました。与党では公明党がこの特例高金利の廃止を強く主張しました。自民党でも族議員のベテラン議員と廃止を主張する若手議員との主張がぶつかりました。結果として正論である特例金利廃止案が通ったのです。政府与党もたまにはいいことをやるようです。

 読売新聞の心配する「貸し渋り」については、私は、大いに「貸し渋り」をやるべきという反対意見を持っています。

 消費者金融に勤めていた時に常に感じていたことは、消費者はあまりに簡単にお金を借りることができるということでした。銀行では個人に即座にはお金を貸してくれませんが、消費者金融では初めての人でも30分もあればお金が借りられます。人によって借りられる額は違いますが、よほどの人でない限り貸してもらえます。その与信のテクニックはとても銀行にはありませんでした。

 この簡単にお金が借りられるということが、今の借金地獄をもたらしていると思います。犯罪や自殺の新聞記事を読むと、その裏に消費者金融で多額の借金がある場合が多いように感じます。

 私は、返せる当てがない限り借金はしてはならないと思います。お金を借りる前に支出を減らすべきです。仕事で使うか、他に足がない場合以外はクルマはやめるべきです。ケイタイもやめます。お酒やタバコはやめ、無駄な買い物もやめます。贅沢は禁止、昔なら新聞少年ですが、子どもたちにも家計を助ける覚悟を求めます。そしてどうしても借りなければならなかったときはできるだけ早く返すことです。

 借金が返せなくなって、また借金をする、それが人生の破滅につながります。

貸し渋り大いに結構と考えます。

 ただ、贅沢のためでなく、生きるために本当に困っている人には、希望が持てるような政策を行政が果たすべきです。多重債務者対策本部の設置もその一つと思います。

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2006年12月 8日 (金)

中国語、イタリア語、スペイン語のラジオ講座

 月曜日から木曜日まで、朝のNHKの中国語とイタリア語とスペイン語の講座を聴くのが日課になっています。1講座20分、朝8時からの40分と9時半からの20分がその時間です。中国語は数年前から、イタリア語はこの4月から、スペイン語はこの10月から学び始めました。いずれも入門編です。応用編については中国語は今の講座が面白くないのでやめています。イタリア語とスペイン語は今の学力では難しいので聞いていません。

 入門編は1回の講座が6ヶ月間です。半年ごとに元に戻り、発音の基礎から始まります。中国語は何人かの講師の講座を聞きました。イタリア語は2人目、スペイン語は初めてです。

 どの講座も講師は日本人の大学の先生です。今回は偶然にも全員女の先生になりました。文章を読むなどの助手はそれぞれの母国の人が勤めています。それ以外にイタリア語では日本人の夫婦が登場し、スペイン語ではスペイン人の4人家族がドラマを演じます。

 面白いのはそれぞれ講座のスタイルや雰囲気が違うことです。中国語の先生は真面目一方という感じで、面白みは少ないのですがしっかり教えてくれます。ちょっと丁寧すぎるというかくどすぎるところもあります。テキストもその傾向が見られます。

 イタリア語は明るく楽しい雰囲気があります。親切に明快に講義を進めます。テキストも分かりやすく、3つの講座の中では一番好きで、楽しく聞くことができます。

 スペイン語は楽しい雰囲気ですが、ちょっと脱線が多く、ややおふざけの感じがあります。テキストも親切さに欠けています。

 3つの講座を受けてみて一番興味深く感じたのはそれぞれの言葉の持つ特徴です。中国語はとても発音が難しく、日本人にはうまく話せないような発音があります。四声という中国語特有の発音のルールがあります。同じ読みでも音の上げ下げによって全く違った漢字を表します。したがって中国語を学ぶのは文章をどう読むかということに入門編の時間の大部分を使います。それに比べて文法はかなり大まかです。過去、現在、未来などの時制には余りはっきりした区別がありません。

 イタリア語とスペイン語は同じラテン系の言語のため兄弟みたいな関係にあります。単語、発音、文法、文章の組み立てなどがとてもよく似ています。同じ単語が共通して使われることもあります。日本人にとって発音は簡単、一部の発音を除いてはほぼローマ字読みです。ところが文法が大変難しくなっています。人称、男性女性、単数複数の違いで動詞の変化が複雑です。動詞だけでなく、名詞、形容詞、代名詞などが性と単数複数によって変化します。時制も複雑、直説法や接続法の違いなどもあります。したがって入門偏の学習の中心は動詞の変化を学ぶことです。

 そんな違いも学習を始めることによって知りました。また言葉を学ぶことは、地理や文化や社会や生活や風習などを知ることでもあります。毎日時間にしばられますが、楽しんでいます。

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2006年12月 3日 (日)

現在の箱根山戦争

 平成18年11月27日から29日まで夫婦で箱根旅行に行ってきました。紅葉と富士山が見事でした。写真はそのとき撮ったものです。

 Cid_000301c716824a5bacb0030ba8c0cj311822 NHKの朝ドラの第1回目は獅子文六の「娘と私」でした。その獅子文六が箱根の山で繰り広げられた小田急系の箱根登山鉄道と西武系の駿豆鉄道(現・伊豆箱根鉄道)の争いを「箱根山」と題して面白おかしく書きました。

 今回箱根を旅して、その箱根山戦争がまだ残っているのを感じ ました。もちろん今は「箱根山」に書かれていたような激しい争いは観光客には見えませんが、静かな戦いは続いているようです。それは例えば両社のクーポン券にも現れています。

Cid_000601c716824a5eb9f0030ba8c0cj311822 私たちは小田急系の割引周遊券「箱根フリーパス」(3日間有 効-小田原から4130円)を利用しました。小田原からのフリーパスは、箱根登山バス、箱根登山電車、箱根登山ケーブルカー、箱根ロープウェイ、箱根海賊船などに何回でも乗り降り自由です。58施設で料金が割引きとなります。

私たちは「箱根フリーパス」を購入しました。初日はバスで元箱根の旅館まで行き、2日目は施設めぐりバスで施設めぐりをし、3日目はバス、海賊船、ロープウェイ、ケーブルカー、登山電車を乗り継いで箱根を一周し小田原に帰ってきました。すべて「箱根フリーパス」が使えました。

Cid_000701c716824a5eb9f0030ba8c0cj311822

 これに対して西武系の割引周遊券は「箱根スマイルクーポン」(3日間有効-小田原から3100円)です。小田原から伊豆箱根バス、駒ケ岳ロープウェイ、芦ノ湖遊覧船、十国峠ケーブルカーなどに何回でも乗り降り自由です。34施設で料金が割引となります。

 箱根のメインルートでは両方のバスが走っていました。芦ノ湖では海賊船と芦ノ湖遊覧船が並行して運航されていました。周遊券の料金が西武系のほうが安いのは、たとえ駒ケ岳ロープウェイに乗れる特典があっても、桃源台から箱根湯本までの、ロープウェイ、ケーブルカー、登山電車というバラエティに富んだ乗り物が利用できないためかもしれません。

 観光客の立場から見ると2つの系列が張り合って競争してくれることは大変いいことでしょう。それだけサービスがよくなり、料金も安くなるはずです。

 次に箱根に来るときは、西武系の「箱根スマイルクーポン」を利用して一周してみたいと思っています。

 写真をクリックすると大きく鮮明に見ることが出来ます。

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