テレビドラマ「遥かなる絆」の原作を読む
平成21年9月NHKのテレビドラマ「遥かなる絆」の原作を読みました。
「遥かなる絆」は平成21年4月18日から5月23日まで6回にわたって放送され注目を浴びたドラマです。
原作は城戸久枝さんの「あの戦争から遠くはなれて 私につながる歴史をたどる旅」です。
城戸久枝さんは私のふるさと愛媛県伊予市出身、郡中小学校、港南中学校(郡中中学校が合併して校名変更)、松山南高校の後輩に当たります。恥ずかしながら最近まで知りませんでした。こんなすばらしい人が人口3万人くらいの小さな街から生まれたことを誇りに思います。
城戸久枝さんはこのノンフィクションで「第39回大宅壮一ノンフィクション賞」「第30回講談社ノンフィクション賞」を受賞しています。
「あの戦争から遠くはなれて」は城戸久枝さんの父親が中国で育ち日本に帰国するまでをたどる第1部と久枝さんが徳島大学在学中に国費留学生として吉林大学に留学し、父の歩いた道をたどり、帰国後中国残留孤児と係った第2部からなる大作です。
久枝さんの父親城戸幹氏は満州国軍司令官だった城戸弥三郎の長男として生まれ、終戦直後の混乱した満州で母親と離れ、「孫玉福」と名づけられて中国人の養母に育てられました。
極貧の中で「小鬼子(シャオグイズ)」といわれながら、優秀な成績で高校まで進みました。日本人のため大学受験には合格できませんでしたが、中国の会社に就職、中国と日本の国交が回復する以前に日本に何百通という手紙を書いて、やっと帰国の道が開け、文化大革命のさなか愛媛県の八幡浜に帰国を果たしました。
実に中国残留孤児の調査が始まり続々と帰国が始まる10年以上も前のことでした。
この作品を読んで気づいたことは、父親と久枝さん二人の信念、気力、粘り強さ、行動力の素晴らしさでした。また中国人の懐の広さです。中国は日本とか日本人種には過大な拒否反応を示すようですが、人と人のつながりという点では日本人以上の絆を大切にするように感じました。
NHKのドラマは見すごしましたので、10月24日にDVDが発売されたら、レンタル店で借りてきて見ようと思っています。
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