イラク戦争が終結
2011年12月14日、オバマ大統領は米国内の基地でイラク戦争の終結を宣言し、12月15日にはイラクの首都バグダッドで駐留部隊の解散式を行いました。
イラク戦争は、2003年3月20日ブッシュアメリカ政権が、イラクフセイン政権による大量破壊兵器保有を理由に、イギリスやオーストラリアを巻き込んで始めた戦争です。8年9か月ぶりの終結ですが、読売新聞には「勝利なき終結」と出ていました。
ブッシュ大統領は2001年9月11日のアメリカ同時多発テロを受けて、「テロとの戦い」を掲げました。イラク戦争はその流れに沿って始められたものです。
2003年4月には首都バグダッドが制圧され、フセイン政権は崩壊しました。2003年12月には、サダム・フセインが逮捕され、2006年12月には死刑が執行されました。
フセイン政権崩壊後、アメリカ軍は治安維持のため駐留を続けました。しかしイスラム教のシーア派とスンニ派の対立が激しくなり、武力衝突やテロが頻発しました。
8年9か月間の米軍の死者は4500人、累計戦費は8000億ドル(約62億円)といわれています。
読売新聞の社説は、「米軍撤収後も山積する課題」として次のように述べています。
「多くの一般国民が今なおテロの犠牲になっている。米軍撤収はテロ組織を勢いづかせ、治安の悪化を招く恐れがある。宗派間、民族間の対立が続いており、国民和解は急務である。シーア派勢力に支持されているマリキ首相の権力基盤は脆弱だ。‥‥イラクと中東の将来に対する米国の責任は重い。米国は今後、イラク軍育成など安全保障分野での協力だけでなく、イラクが責任ある地域大国となるよう、外交面で働きかけていく必要がある。」
極端な言い方をすれば、アメリカは勝手に自分たちの論理でイラクに戦争を仕掛け、仕掛けた効果がないとわかると、後始末をすることもなく勝手に手を引くようなものではないでしょうか。「あとは野となれ山となれ」といわんばかりのような気もします。
読売新聞の別のコラムでは、「イラク戦争の最終的な評価は、大統領の言うとおり、後世の『歴史の審判』に委ねられることになるだろう。」とありました。
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