「ザ・タワー」展を見た
平成24年3月9日江戸東京博物館で特別展「ザ・タワー~都市と塔のものがたり~」を見ました。
今年の5月22日に東京スカイツリーが開業しますが、それを祝っての「東京スカイツリー完成記念特別展」です。
展示会のタイトルから、日本国内や海外の塔やタワーについての展覧会を私はイメージしていました。ところが最初にバベルの塔や薬師寺の東塔についての展示物がありましたが、あとはパリのエッフェル塔と東京と大阪の塔や高所などの展示物だけで、合計368点並んでいました。ほかのタワーのものまで展示するスペースはなかったのかもしれません。
エッフェル塔に関する展示物はパリのオルセー美術館に保存されている絵画や写真が主で、エッフェル塔開発会社とフランス国立図書館やフランス国立文書館などの資料もありました。
東京は言うまでもなく東京タワーの展示物が目玉ですが、江戸時代や明治大正の高層建造物やそこから見た風景画などが数多く掲示されていました。大阪の目玉は2代の通天閣でした。これらの展示物の大半は江戸東京博物館所蔵のものです。
朝から雨が降る冷たい日だったせいかそれとも集客力の少ない展覧会だったせいか、人が少なく説明を読みながらゆっくり見て回ることができました。
江戸東京博物館のチラシの説明を載せておきましょう。
「人はなぜ塔を建てるのか-洋の東西において、多くの塔は、教会や寺院といった信仰の空間にあり、祈りの対象でした。『塔』という言葉は、サンスクリット語の『ストゥーパ』を語源としています。もともとは、仏舎利(釈迦の遺骨)を納める墓でしたが、仏教とともに日本に伝わり、三重塔、五重塔といった多層塔に変化しました。また、旧約聖書に登場する『バベルの塔』の物語は、人はなぜ塔を建てるのか、という問いを今でも私たちに投げかけています。
近代の都市と塔-そのような中で、1889年(明治22)にパリで開かれた万国博覧会で建造されたエッフェル塔は、300メートルという高さへ挑戦した新しい『都市の塔』であり、『近代』という時代の到来をも告げるものでした。
パリから東京、大阪へ-開国維新を経て、急速な近代化の過程にあった東京では凌雲閣(1890年、明治23)、大阪では通天閣(1912年、明治45)と、都市の眺望を楽しむ塔の誕生を見ることになります。そしてその流れは、戦後の復興の象徴ともなった東京タワー、そして東京スカイツリーへと引き継がれて行くのです。」
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