大河ドラマ「平清盛」の視聴率が最低の理由を考えて見た
平成24年6月24日に放送されたNHK大河ドラマ「平清盛」の視聴率が、関東地区で10.1%まで下がりました。これは過去最低だった1994年8月14日の「花の乱」の視聴率と同じ数字です。
関西地区では6月3日に9.2%と最低の記録を出しました。ワールドカップのアジア最終予選日本-オマーン戦と重なった影響もありましたが、関西を舞台にした平清盛のドラマがひと桁の視聴率というのは異例のことと報道されていました。
鳴り物入りで始まった「平清盛」が視聴者に受けない理由を考えてみました。理由はいっぱいあります。
1.面白くない
・主役の平清盛がヒーローとして描かれていません。今まで大河ドラマの主役は強く、凛々しく、聡明で、人を引きつける魅力ある人物として登場するのですが、このドラマではわけのわからない人物となっています。
・主役の松山ケンイチには痛快感、爽快感、知性が感じられません。笑顔もありません。ミスキャストではないでしょうか。
・大河ドラマには毎回ヤマとなるような盛り上がりがあるのですが、今回のドラマにはそれが欠けています。会話がやたらに多く、ストーリーの展開が阻害されています。
・腹黒い人物、意地悪な人物ばかり登場するような印象を与えています。
2.分かりにくい
・登場人物が多すぎ、その関係が複雑で、解説書がなければ理解できません。
・宮中、公家、武家とも同じような名前が多いため、区別がつきにくいのです。
・誰が誰の味方で、誰が敵なのかなかなか理解できません。人物がしっかり描かれていないのです。
・画面の転換が唐突で、今どこが舞台なのかわからなくなります。
・もっとナレーションを入れて、視聴者に親切なドラマにする必要があります。
3.画面が暗く、汚い
・リアリズムを狙ったせいか、画面が暗く汚い感じを与えます。
・昨年の大河ドラマ「江」はきれいすぎるという批判がありました。それを意識したかどうか分かりませんが、汚いよりはきれいな方が視聴者には好まれます。人気の韓国ドラマはどれも画面がきれいです。
4.テンポが遅い
・ドラマは平清盛の一生を描くのでしょうか。清盛が高熱で死んでしまうまでなら中途半端なドラマで終わってしまうように思います。今のテンポではとても平家の滅亡まではたどり着けません。
・テンポの遅さにはイライラします。楽しくない場面を延々と見させられる視聴者はたまったものではありません。平忠正と源為義が清盛と義朝に首を打たれる場面ではスローテンポにばかばかしくなってしまいました。
5.脚本が悪い。音楽も悪い。
・今まで原作のない脚本家のオリジナル脚本の大河ドラマは一部を除いて人気が出ていません。今回も藤本有紀のオリジナル脚本ですが、ちょっと荷が重すぎた感じです。
・大河ドラマの音楽は「赤穂浪士」のテーマミュージックをはじめとしてすぐれた音楽が多くあります。今回の吉松隆の音楽は特徴のない音楽と思います。聞いていて楽しくありません。
今まで我慢して見てきた感じでは、「平清盛」はどんなドラマにするかというテーマに欠けた大河ドラマになっているように思います。訴えるものがありません。楽しんで見るようなものでもありません。
おそらく年間の平均視聴率も、最低だった「花の乱」の14.1%をはるかに下回る視聴率になると確信しています。
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