全中が農協改革案を受け入れ(NO.787)
平成27年2月9日、全中(全国農業協同組合中央会)は政府の農協改革案を受け入れることに合意しました。
全中は地域農協に対する指導・監査権を廃止し、2019年3月までに、経団連などと同じ一般社団法人に転換します。
農協は現在4階建ての組織になっています。全国に約700ある地域農協は農家から農産物を集めて市場で販売し、農家に肥料や農機具を売り、金融や保険を取り扱い、技術指導を行っています。
都道府県には業務ごとの組織があります。そしてその上に業務ごとの全国組織があります。保険を取り扱う共済連、農産物販売や肥料、農機具の購入の全農、金融の農林中金などです。そして頂点に立つのが全中です。
この組織で農家をコントロールするとともに、農協組織の既得権を守ってきました。
今回の改革案は、日本の農政に強い影響力を誇っていた全中の指導・監査権の廃止に切り込み、地域農協の自立を促すものです。農業の競争力を高める取り組みを促し、「攻めの農業」を目指す狙いもあります。マスコミの反応はほぼ改革に好意的です。
私は農家や農協とは直接のつながりはありませんが、IT会社にいたとき、保険会社担当の事業所のSEとして、全共連(共済連)へ大型コンピュータの売り込みを体験しました。
その後仙台の事業所に転勤したときは、東北6県の県レベルの信連(農林中金の下部組織)や経済連(全農の下部組織)に対して、コンピュータを販売する経験をしました。いずれの場合も、上司や同僚から農協の組織についての知識を叩き込まれました。今から約40年ほど前のことです。
それからあとは農協に絡むことなくすっかり忘れておりました。今回農協改革で農協のピラミッド構造を新聞で見て、40年間ほとんど変わっていないことを知りました。驚きでした。他の業界は40年で様変わりしています。
ここで新しいシステムに変わることは農業にとっても、農家にとっても、そして日本にとって必要なことだと思います。
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