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2016年12月16日 (金)

年金改革法が成立(NO.975)

 平成28年12月14日、公的年金の給付額の改定ルールを見直す年金改革法が成立しました。

 年金というと分かりにくいということが通り相場ですが、今回の改革も分かりにくい改革です。民進党は「年金カット法案」と批判して反対しましたが、これは的外れの批判でした。

 2004年の年金改革で「マクロ経済スライド」という制度を導入しました。これがまた大変わかりにくい制度ですが、それが時の政府によって完全には実施されなかったのです。選挙のためでしょうか、当時の政府はデフレ下で賃金や物価が下がっても、年金は下げなかったのです。

 年金は主として現役世代が納める保険料で、高齢者に支給されます。高齢者が現役の時に積み立てた保険料から支払われるのではないのです。

 年金原資の年間の総収入は賃金の変動によって増減します。賃金が下がれば支給される年金も下げなければ収支が悪化します。それでなくても少子高齢化によって、今後の年金水準の低下は避けられません。

 今回の改革は、わかりやすく言えば賃金や物価の増減を、年金額の増減にそのまま反映させようとするものです。ただ、今まで賃金や物価の下落を年金に反映していないため、その分の借りは返してもらおうとしています。高齢者に少し我慢してもらって、年金制度を維持しようとするものです。

 改革のポイントは以下の通りです。

1.「賃金・物価スライド」徹底など、年金給付額の改定ルールを見直し、将来世代の給付水準を確保 

 たとえば賃金が物価より大きく下がっても年金が物価分しか減額されない現状を、賃金に連動して下げる

2.年金積立金管理運用法人(GPIF)に合議制の経営委員会を設置するなど、組織見直し

3.従業員500人以下の企業でも労使の合意などで、パートなどの短時間労働者を厚生年金の加入対象とできる

4.国民年金1号被保険者の保険料を産前産後4か月間免除

5.日本年金機構に不要財産が生じた際、国庫納付する手続きを規定

 年金制度にはまだまだ改革しなければならないところが残っています。少子高齢化を前提に、国を挙げて年金制度の維持に真剣に取り組んでほしいものです。

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