また厚生年金に支給漏れがみつかる(NO.1054)
平成29年9月14日の読売新聞朝刊に「年金598億円支給漏れ 基礎年金の上乗せ分」とのトップ記事が出ました。
また年金行政のミスが発見されたのです。ミスは基礎年金に一定の金額を上乗せする「振替加算」が、1991年以降、元公務員の妻など約10万6千人に、合計約598億円の支給漏れがあったのです。
年金に関しては2010年に不祥事の多かった社会保険庁が日本年金機構になりました。
2015年にはサラリ-マンの厚生年金と公務員の共済年金が統合されました。しかし統合後も基礎年金の記録は厚労省所管の日本年金機構、共済年金の加入記録は財務省など所管の各共済組合が管轄するという縦割り組織で維持されています。
ミスの原因は
①日本年金機構と共済組合の連携不足で260億円(5万3千人)
②支給対象者の届け出漏れで128億円(1万2千人)
③機構のシステム処理上のミスで122億円(3万6千人)
④機構での事務処理ミスで89億円(5千人)
となっています。
年金機構では数年前から問題を掌握しながら放置していました。
「振替加算」は国民皆年金となった1986年以前に専業主婦などが国民年金に任意加入しておらず年金額が低い人に配慮して1991年に導入されました。夫が受け取っていた加給年金分を、妻が65歳になって基礎年金を受け取るときに「振替加算」として受け取る仕組みです。その振替加算分が支給漏れとなったのです。
公的年金は改正が繰り返され非常に複雑な制度になっています。受け取る側では間違いがあってもそれを見つけることは困難です。
制度を運用する側が確実に運用することが必要なのです。そして運用体制も統合が必要と思います。
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