先日届いた如水会会報2017年12月号に百田尚樹騒動という記事が載っていました。
母校一橋大学の学園祭に百田尚樹氏の講演会を企画していたのが反対運動によって中止されたというのです。私はこの件に関しては全く知らなかったので、ネットで検索してみました。
この事件は今年6月に起きたことなので半年ほど前のことになります。
まず最初に出てきたのは産経ニュースでした。
「作家の百田尚樹氏が登壇予定だった一橋大の講演会中止騒動が波紋を広げている。一部の圧力団体が百田氏に『差別扇動者』とレッテルを貼り、講演を中止に追い込んだ。これは明らかな『言論弾圧』といえるが、いつもなら『自由を守れ』と声を上げるリベラルメディアはなぜ沈黙を続けるのか。
今回の騒動に対して『護憲リベラル派』は関心を示さない。百田氏が自らツイッターで情報発信するなどしたため、問題が露見したが、そうでなければ、埋もれていたであろう。この件は『表現の自由』に深く関わる。憲法上、優越的地位を占める重要な精神的自由権が侵害されたといえるが、護憲リベラル派は沈黙を続ける。朝日新聞は6月9日付朝刊の目立たない第3社会面でエクスキューズのように報じただけだ。同社が綱領に掲げる『進歩的精神』はいまだ発揮されていない。
またなぜ、一橋大は問題視しないのか。法学部やロースクールで憲法を講義する教授らが、なぜ『自由を守れ』と声を上げないのか。不思議である。それどころか、大学の一部教員からも中止を求める声が出ていたという。正気の沙汰とは思えない」
朝日新聞と対極をなす産経は百田尚樹氏を擁護する立場です。
一方6月5日付の一橋新聞WEBには以下の通り出ていました。
「KODAIRA祭 百田尚樹氏公演中止
2日、第21回KODAIRA祭(10、11日)の百田尚樹氏講演会の中止が発表された。中止についてKODAIRA祭実行委員会は、『講演会の拡大した警備体制が他の企画を犠牲にすることは、新入生の歓迎というKODA祭の理念に沿うものではない』と説明している。
学内販売のチケットは12日から16日の昼休みに、東プラザ前で払い戻しを行う。
実行委員会が中止理由に挙げた警備体制の拡大について、ある教員によると、実行委員会の提出した警備計画の変更案が5月31日の臨時の学生委員会会議で承認されたという。この案では、講演会が予定されていた10日、図書館利用目的の学生と講演チケット保持者以外の西キャンパス入構が禁止されていた。
講演をめぐっては、百田氏がマイノリティに対する差別発言を行っていることを踏まえ、講演を憂慮する声が上がっていた。講演反対派と実行委員会は5月12日に会合を開き、意見交換を行った。
会合には、4月中旬から反差別ルール制定を求めてきた反レイシズム情報センター(ARIC)、講演会中止を求める一橋生有志の会のメンバーらが反対派として参加。在日コリアンの学生は『講演内容や当日の警備体制に関わらず、講演会自体がつらい思いをさせる』と述べた。
参加者全員は、協力して差別のない祭を作るという点では合意を形成。第2回会合を開く方向で散会した。
しかし、その後実行委員会はARIC以外との会合を拒否。ARICとは22日に会合を実施し、反差別ルールの制定を約束したという。
会合を拒否された有志の会は31日 、講演をめぐる動きの報告会を行った。報告会には学部協議会、院生自治会も出席。参加者からは『大学が許可している以上、一橋全体の問題』、『長年取り組んできた国際交流が無駄になる』といった意見が出された。教員からは『人権意識の欠如は教育の失敗』という反省の声も上がった。
講演を問題視する教員も多く、社会学研究科は14日の教授会で議論の上、講演中止の検討と、人権委員会の設置など差別への中長期的な対処を求めた。
5月末、河野真太郎准教授(商学研究科)など別の教員有志も蓼沼宏一学長、沼上幹副学長(教育・学生担当)宛に『企画を認可した大学は講演会に適切な介入を行うべきだ』とした要望書を提出。数日間で教員約60人の署名が集まったという。
そのような中で、今月2日20時12分、KODA祭の公式ツイッターで急きょ百田氏講演会の中止が発表された。実行委員会によると大学からの中止要請はなかった」
これを見るとお祭りの実行委員会は警備上の理由と大学内から出たいろいろな意見をもとに中止という決断をしたようです。
一橋大学は国内有数の留学生の受け入れ大学で、2015年のデータでは全生徒の11%が外国人、大学院では24%が外国人となっています。留学生にも留意したことが予想されます。
私個人は百田尚樹氏のファンで、慰安婦問題などで我が物顔にふるまっている韓国に対して百田氏の見解に大いに共鳴しています。
学生たちの中にも「多様な意見を知る機会を失った」として講演中止を残念がっている人がいるようでした。
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