平昌オリンピックを振り返って(NO.1102)
平成30年2月25日平昌オリンピックが終了しました。
日本は金4個、銀5個、銅4個の合計13個のメダルを獲得しました。
メダルをとった選手はもちろん、メダルに届かなかった選手もよく頑張りました。世界のレベルは高くなっており、自己最高記録を更新してもメダルを取れなかった選手もいました。
感動を与えてくれた平昌オリンピックでした。選手の皆さんにはこころからありがとうと言いたいと思います。
ここで今回のオリンピックを振り返って見ましょう。
マスコミでは13個のメダルは長野を超えて冬季最高記録とはやしていますが、単純には喜べないと思います。
長野の時は競技種目は68でした。今回は102種目に増えています。長野の1.5倍です。それを考えると15のメダルを取って初めて長野並みと言えます。
日本選手団の斉藤団長はオリンピックが始まる前に「複数の金メダルを含む9個のメダルが目標」と言っていました。確かににそれは超えました。しかし目標自体がお粗末だったのです。「15個のメダルが目標」と言ってほしかったと思います。
今回は女子の活躍が目立ちました。男子が5個、女子が8個です。特に女子のスピードスケートは金3、銀2、銅1の6個のメダルを取りました。申し分のない大活躍です。
お粗末だったのが男子のスキージャンプ、スケートのショートトラック、アルペンスキーなどです。
男子スキージャンプはオリンピック8回出場のレジェンドがいましたが、レジェンドを代表に選ばなければならないほど人材が育っていないのです。レジェンドは尊敬していますが、それを追い越す人が出てこないと男子スキージャンプは成長しません。
ショートトラックは小手先の競技という感じがして好きではありません。コメントはやめておきます。
もっとひどいのがアルペンスキーです。アルペンスキーは1956年のコルティナダンペッツオ大会で猪谷千春氏が回転で銀メダルをとりました。日本の冬季オリンピックの初メダルでした。
ところがそれ以後16回の冬季オリンピックがありながらアルペン競技では日本人は誰もメダルを取っていません。昔はアルペン競技は、回転、滑降、大回転の3種目でしたが、今はそれに加えてスーパー大回転、複合の5種目があります。男女合わせると10種目になります。ところが最近は満足に出場さえできていません。
日本は質の良い豊富な雪と山に恵まれたスキー天国と言えます。アジアではそんな恵まれた国はなく、ヨーロッパのスキー環境に引けを取りません。猪谷千春のお父さんは千春選手を育てるため各地を転々と移動しながら鍛え抜きました。今はそんな指導者は見当たりません。
お粗末だった競技について、JOC、各競技団体、日本政府は、人材(選手および指導者)の発掘と育成、施設や設備の拡充に本気になって取り組んでほしいと思います。
平昌は寒いばかりで雪の少ないところと聞いていました。ところが雪は人工雪がたっぷり用意され競技に支障はないようでした。山には雪がないのに競技場は雪景色でした。
風は強かったようですが、晴天が続き青空のもとでの競技が見られました。日本でやった札幌や長野よりお天気は良かったかもしれません。人工雪を作るのに貯水場と200台の人工降雪機が用意されたとのことです。
ただスキージャンプの時間は最悪でした。夜遅く始まり極寒の中強風が吹きつけ、選手は何度も待たされていました。
この前のブログにも書きましたが、アメリカのテレビ局が放映権を独占したため、こんな時間になったようです。IOCがアスリートファーストより収入ファーストを選んだためです。
IOCはオリンピックを肥大化させています。バッハ会長は競技種目をいたずらに増やすより、原点に戻ってアスリートがいい環境の下で、のびのび競うことができるようにすべきと思います。北京では批判を謙虚に反省し、アスリートファーストを貫いてほしいと思います。
さあ次はパラリンピックです。感動を呼ぶ試合を期待しましょう。
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