「新聞という病」を読む(NO.1263)
令和元年8月16日、門田隆将の「新聞という病」を読みました。
読売新聞の書籍広告にこの本が載っていたので、我孫子図書館に予約、数か月待たされてやっと読むことができました。大変面白い本でした。
著者は中央大学政治学科を卒業、新潮社に入社、「週刊新潮」編集部に所属、記者、デスク、次長、副部長を経て2008年に独立、現在は作家、ジャーナリストとして活躍しています。
この本は書き下ろしではなく、産経新聞や雑誌「正論」に書いた原稿をベースにした論評集です。全体を通じて、「一部の新聞は正確に報道していない、事実を捻じ曲げている、ネット時代に対応できていない、このままでは生き残れない、だけどどうしても生き残ってもらわなければならない新聞もある」という論調になっています。
目次は以下の通りです。
第一章 朝鮮半島危機に何を報じたか
(論点) 韓国への制裁を発動せよ
第二章 報道は歴史を直視しているか
(論点) 二二八事件 坂井徳章の「正義と勇気」
第三章 「謝罪」の後の主義主張
(論点) 「吉田調書」報道 朝日新聞の悪意
第四章 命より憲法という観念論
(論点) 現実と憲法 邦人の命を守れない日本
第五章 なぜ「現実」を報道できないか
(論点) 少年Aは「更生していない」という事実
第六章 ”ビラ”になった新聞
(論点) 朝日的手法による日本の損害
第七章 自ら放棄する言論の自由
(論点) 「新潮45」休刊と日本のジャーナリズム
この本で「病」の張本人として一番に取り上げられているのは朝日新聞です。そして新聞業界全体もやり玉にあがっています。
門田氏は「おわりに」で以下のように書いています。
「本書は、本来の姿を見失い、消え去る新聞と、危機の中でもしっかりと生き残る新聞を『何が分かつ』のか、見極めるための『手助け』を目指したものである。全編にわたって新聞に対して非常に厳しい論評を書かせてもらった理由もそこにある。
しかし、私自身は、実は本書が新聞記者たちへの『励ましの書』であり、『応援の書』であると思っている。」
なお余談ですが、私も平成14年9月12日に「朝日新聞の大罪」というブログを書きました。東日本大震災の福島原発事故の際、「所員の9割が所長命令に違反して撤退した」という誤報を朝刊一面の載せたことと、従軍慰安婦報道でも記事の一部を取り消しながら謝罪しなかったことについて、記者会見を開いて謝罪した時のことです。
また平成13年10月の手賀沼通信では、「日本と日本人をダメにした三悪」という記事を書き、日本人をダメにした三悪の一つに朝日新聞を取り上げています。
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