吉野彰博士ノーベル化学賞を受賞(NO.1277)
2019年10月9日リチュウムイオン電池を開発した吉野彰博士がノーベル化学賞をスウェーデン王立科学アカデミーより受賞しました。同賞はアメリカテキサス大学のジョン・グッドイナフ教授とアメリカニューヨーク州立大学のスタンリー・ウィッティンガム教授との共同受賞となります。
吉野氏は現在旭化成の名誉フェローです。1981年から旭化成で充電池の開発に取り組みました。
電気を通すプラスティック「ポリアセチレン」をマイナス極に使う手法を思いつき、プラス極にグッドイナフ氏らが開発したコバルト酸リチウムを用いて電池を試作しました。さらに同社が開発した特殊な炭素繊維を用いて小型化する方法も開発し、85年に電池の充電に成功しました。これが現在のリチウムイオン電池の原型となったのです。
リチウムイオン電池は軽量かつ高出力で、充電して何度も使えます。スマートフォンやノートパソコン、電気自動車などに広く使われています。電気自動車は二酸化炭素を排出せず、太陽光発電や風力発電で作られた電気をリチウムイオン電池に蓄えれば環境面での改善につながります。リチウムイオン電池は今後の科学発展や社会生活にも大いに資することが予想されます。
ノーベル賞の日本人受賞者はこれで27人目、化学賞は8人目となりました。2年連続です。大変誇らしく思います。また企業内での研究者は島津製作所の田中耕一さんに続いて2人目です。
これからも人類の発展に貢献できる日本人のノーベル賞受賞者が出てくるよう願っています。
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