札幌マラソンはアスリートファーストでなくIOCファースト(NO.1285)
2019年11月1日、東京オリンピックのマラソン会場がIOC、国、東京都、大会組織委員会の4者会談の結果、札幌で行われることに正式に決まりました。
東京都は夏の暑さを考慮して、時間を早朝にするとか、街路樹を繁茂させるとか、舗装を熱を吸収するようにやり直すとか、ミストを発生させる装置を取り付けるとかいろいろ工夫をしてきました。
ところが9月28日ドーハで行われた世界陸上の女子マラソンが暑さを考慮して深夜に行われたにもかかわらず、約4割の選手が途中棄権したことから、突如IOCが東京都に相談することなく一方的にマラソンと競歩の開催地を東京に変更しました。東京都はそれに反対して4者会談になりましたが、開催地の決定はIOCの権限として札幌に決まったのです。
またもやIOCの横暴です。IOCはアスリートファーストと言っていますが、IOCファーストなのです。ドーハのマラソン後、欧米のマスコミから批判が出ました。IOCは東京でも同じことが起こるのではないか、そうしたらIOCが批判されるのではないかと恐れたのでしょう。
小池知事は「東京がベスト」「合意なき決定だ」しかし「大会を成功させる重要性から、決定を妨げることはしない」と述べました。
そもそも夏季オリンピックを「7月15日から8月31日まで」ときめたのはIOCです。IOCが放映権料を稼ぐため、アメリカのテレビ局の希望に合わせて暑い夏に決めたのです。春か秋にすれば暑さの問題は起こらないはずです。ここでもアスリートファーストでなく、IOCファーストがあらわになっています。
オリンピックが巨大になり費用がかさむことから、開催希望の都市が大会ごとに減っています。IOCはオリンピックをもっとスリム化するとともに、開催時期を見直すとか、本当の意味でのアスリートファーストを考えるべきでしょう。
余談ですが、いつだった忘れましたが「IOCの会長は世界一の有名人だ」と聞いたことがあります。たぶんブランデージ氏が言ったのではないかと思います。確かに世界に通用する人と言えば、国連事務総長かローマ法王くらいで、一国の大統領、首相、国王はかなわないでしょう。それは「だから俺の意志には従ってもらう」という一方的な意味だったか、「だから意思決定や、言動には十分注意する必要がある」という謙虚な意味だったかは覚えていません。バッハ会長はどちらかと言えば前者のような気がしてなりません。
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