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2020年5月 6日 (水)

NHKがケネディ大統領暗殺事件を解明したか?(NO.1341)

 2020年4月29日と5月2日に「NHKスペシャル 未解決事件File JFK暗殺」が2回にわたって放送されました。その内容は長年の間未解決事件として謎に包まれていたケネディ暗殺事件の真相に迫ったものでした。

 アメリカ第35代大統領は1963年11月22日にテキサス州ダラスを訪問、車で移動中に近くのテキサス教科書倉庫ビルからライフル銃で狙撃され暗殺されました。

 その日は日米初のテレビの宇宙中継が始まった記念すべき日で、アメリカからの初の映像としてジャックリーン夫人の隣に座っていたケネディが撃たれる生々しい映像が映し出されました。57年前のことです。私は妹の結婚式に出席するため愛媛県伊予市の実家に帰省中でしたのでよく覚えています。

 狙撃犯として間もなくリー・ハーヴェイ・オズワルドが逮捕されました。ところがその2日後、オズワルドがダラス・シティ・ホール内でジャック・ルビーに銃で撃たれ死亡しました。オズワルドは死ぬ前に「私ははめられた」という言葉を残しました。

 事件後オズワルドが単独犯だったか、あるいは背後でオズワルドをそそのかした陰謀があったのか、いろいろな憶測が流れました。

 政府がウォーレン委員会を設けて真相解明に当たりました。1年後出されたウォーレン報告は「事件はオズワルドの単独犯で、事件に絡む内外の陰謀は一切なかった」と結論づけました。犯行の動機については一切触れていません。

 その後オリバーストーン監督がケビン・コスナー主演で「JFK」という映画を作り事件解明に一石を投じています。私も封切りを待ちかねて見たのを覚えています。

 NHKの番組では、ウォーレン報告に真っ向から反対し、オズワルドに犯行をそそのかした陰謀があるとしたのです。私はこの番組を見ていて大変驚きました。当事国のアメリカでもまだ解決していない事件について、ほかの国のテレビ局が実名を出して犯人をほぼ決めつけることがあってよいのだろうかと思ったのです。

 番組の概要は次のようになっています。

 ケネディ暗殺はCIA(Central Intelligence Agency アメリカ中央情報局)が組織的にかかわったことではありません。CIAの中のケネディ大統領にいろいろな理由から敵意を抱いているグループが、オズワルドを脅迫して犯行をやらせ、しかも陰謀ではなく単独犯だと世間に信じこませたのです。「CIAの一部が暴発した」と元CIA高官のロルフ・ラーセンが内部告発しました。

 そのグループはケースオフィサーと呼ばれる人たちで、ジェイコブ・エスターライン、ウォルトン・ムーア、ジョージ・ジョニーテスの3人です。3人はいわば脚本家であり演出家です。

 彼等はジョージ・モーレンシュルツやホセ・ラヌーザなどを使って、オズワルドに犯行をやらせ、世論にオズワルドの単独犯と信じさせたのです。オズワルドは幼いころから貧困と孤独に苦しみ、15歳からマルクス主義者、ソ連に亡命経験、など、大統領の暗殺を企てるのに最もわかりやすい犯人像だったのです。それを番組ではドラマとインタビューなどで構成していました。

 番組の最後に、トランプ大統領が、何を恐れてかこの事件に関する政府の資料公開をいったん約束しながら拒否したこと、CIAがNHKの取材に対して「国家安全上の理由があるため一部の資料は公開できない」と答えたこと、57年にわたって事件を追い続けているワシントンポスト紙の記者のジェファーソン・モーリーがケースオフィサーの上に立つ人物を調査中であること、を述べていました。

 見終わってなるほどと思わせる番組でした。アメリカがどういう反応を見せるか興味津々です。

 

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