大河ドラマシリーズー8 第22作~第24作(NO.1652)
第22作は「山河燃ゆ」です。
1984年放映、主人公は架空の人物の日系二世の兄弟、主演俳優は松本幸四郎と西田敏行、原作者は山崎豊子、脚本は市川森一、平均視聴率は21.1%(29位)です。
この年から3年続く「近代大河3部作」の第1作です。
山崎豊子の「二つの祖国」が原作です。日系アメリカ人兄弟を中心に、家族や友人が引き裂かれた太平洋戦争の悲劇を描いています。二・二六事件や日中戦争や極東国際軍事裁判も出てきます。ドラマでは主人公は架空の人物ですが、原作にはモデルの存在があり、ノンフィクションに近い作品です。
第23作は「春の波濤」です。
1985年放映、主人公は川上貞奴、主演俳優は松坂慶子、原作者は杉本苑子、脚本は中島丈博、平均視聴率は18.2%(43位)です。
日本初の女優川上貞奴が主人公です。貞奴の夫で自由民権運動の川上音二郎、貞奴の恋の相手で福沢諭吉の娘婿の福沢桃介、芸者時代の貞奴を水揚げした伊藤博文などが登場します。明治・大正時代の文化や世相が描かれています。
「山河燃ゆ」がシリアスなドラマだっただけに「春の波濤」は気軽に楽しめるドラマでした。
第24作は「いのち」です。
主人公は架空の人物の女医、主演俳優は三田佳子、原作はなしのオリジナル脚本、脚本は橋田寿賀子、平均視聴率は29.3%(9位)です。
時代設定が昭和20年から放送時の昭和60年ころ、登場人物がすべて架空の人物という大河ドラマとしては初物ぞろいの作品です。その後の大河ドラマを見てもこれ以上新しい時代のドラマは出ていません。
脚本の橋田寿賀子は「おんな太閤記」(1981年)「おしん」(1983-1984年)などで当時人気絶頂でしたが、「近代大河3部作」中で最高の視聴率を残しました。物語は主人公の女医が戦後の波と闘いながら家族や友人に支えられて活躍するドラマです。心温まるドラマでした。
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