大河ドラマシリーズー21 ドラマが描いた時代と平均視聴率(NO.1707)
大河ドラマシリーズー20までで大河ドラマ61作品の簡単な解説を終わったので、全体を通してのまとめを書いてみます。
まずドラマの舞台となった時代から始めましょう。
①戦国時代~徳川初期 23回 戦国時代の始まりから、安土桃山時代を経て、徳川2代将軍家光のころまで
②幕末~明治初期 14回 幕末から明治10年の西南戦争の終了まで
③源平時代 6回 源氏平家の最初の争いから鎌倉幕府の初期まで
④明治~昭和 5回 西南戦争以後の明治時代から昭和の終わりまで
⑤忠臣蔵事件 4回 時代としては江戸時代ですが、忠臣蔵がテーマなので別にしました
⑥江戸時代 3回 忠臣蔵事件を除く
⑦平安時代 2回
⑧鎌倉時代 1回
⑧南北朝時代 1回
⑧室町時代 1回
⑧琉球王朝 1回 時代としては江戸時代ですが琉球王朝がテーマなので別にしました
何といっても戦国時代のドラマが群を抜いています。この時代は世の中が目まぐるしく変わり、いろいろな人物やいろいろな場所がかわるがわる脚光を浴びました。原作となる長編の名作が多く出版されていたのも、多くドラマが生まれる原因になったのだと思います。
視聴率ベスト5のうち4つがこの時代のドラマです。ベストスリーは意外にも、信長、秀吉、家康の3大英雄ではなく、「独眼竜正宗」、「武田信玄」、「春日局」で、1987年から3年連続しています。4番目は大河ドラマ2作目の「赤穂浪士」で、5番目に「ねね」が主人公の「おんな太閤記」が入っています。
2番目に多い舞台となったのは幕末から明治初期です。やはり激動の時代で、多くのヒーローが登場したためでしょう。
ところが幕末を描いたドラマは戦国時代を描いたものと比べると視聴率が低くなっています。「篤姫」の17位が幕末物の最高視聴率です。理由はわかりません。勝手なことを言わせてもらえば、幕末物はリアルすぎて「面白さ」に欠けているのかもしれません。意外なのは、6作目で幕末で最も人気のあると言われる坂本竜馬を描いた司馬遼太郎原作の「竜馬が行く」が52位を記録していることです。なお、49作目でオリジナル脚本の「龍馬伝」は39位でした。
なお忠臣蔵事件は「赤穂浪士」「元禄太平記」「峠の群像」「元禄繚乱」と4回ドラマ化されていますが、4人の原作者がそれぞれ違った視点から描いたものです。
ここで平均視聴率について考えてみましょう。
平均視聴率はビデオリサーチ社の関東地区の平均視聴率を参照しています。これはNHK綜合テレビの通常日曜日午後8時からの放送の視聴率のはずです。
60年前に大河ドラマが始まったときはNHKの放送チャネルは綜合テレビしかありませんでした。土曜日に再放送されていたかは知りません。今はBS放送があり、さらにオンデマンドやNHKプラスがあります。録画してみる方法もあります。私の場合はBSプレミアムで録画して後で見るようにしています。おそらく平均視聴率には含まれないと思います。
最近の大河ドラマの平均視聴率が低いのは、総合テレビの日曜日の午後8時の番組以外で見た人の数字が反映されていないのが、その原因の1つになっているのではないかと思います。
平均視聴率を単純に比較するのは間違っていると考えています。
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