大河ドラマシリーズー24 スペシャルドラマ・坂の上の雲(NO.1712)
スペシャルドラマ「坂の上の雲」は通常の大河ドラマとは別のスペシャルドラマとして2009年から2011年まで3年間にわたって放映されました。
この3年間は通常の大河ドラマは11月中に終了し、そのあとは年末までスペシャルドラマが放映されました。
原作者は司馬遼太郎です。司馬遼太郎は生前この小説は「戦争賛美と誤解される。映像化するには作品のスケールを描ききれない」として映像化を断っていました。氏の死後NHKの熱意とVFXなどの映像技術の発展によりテレビドラマ化されることになりました。
「坂の上の雲」は2009年から1年ごとに1部、合計3部に分かれています。1回の放映時間は大河ドラマの2倍の90分です。
第1部は5回、主人公と(主演俳優)は秋山真之(本木雅弘)、秋山好古(阿部寛)、正岡子規(香川照之)、広瀬武夫(藤本隆宏)です。秋山真之の生誕から始まり、3人の主人公の松山時代や日清戦争を経て、真之、好古、広瀬の海外留学までを描きました。
第2部は4回、主人公は変わらず、子規の死や日露開戦から広瀬の死までを描いています。
第3部は4回、主人公から正岡子規が抜け、東郷平八郎(渡哲也)が加わりました。4回に分けて日露戦争を旅順から日本海海戦まで描きました。
脚本は全体を通して野沢尚、柴田岳志、佐藤幹夫が担当、第3部には加藤拓が加わっています。平均視聴率は第1部17.5%、第2部13.5%、第3部11.5%でした。
配役はこれ以上ないほど豪華でした。過去の大河ドラマの主演俳優が続々登場しています。また役に打ち込んだ俳優も立派でした。秋山真之役の本木雅弘は収録中の3年間はこの役だけに専念し他の役は受けませんでした。子規役の香川照之は子規の病気に合わせて17キロ体重を落としました。
ロケーションは国内50カ所以上、国外は、内モンゴル、ロシア、イギリス、フランス、ラトビア、マルタ島などでロケをしています。
VFX技術も駆使しました。日本とロシアの白兵戦や騎馬戦を日本側はサロベツ原野や函館で撮影し、ロシア側はラトビアやフランスで撮影して、最終的にVFXで合成という離れ業を使っています。
上海には明治時代の日本の街並みのセットを作りました。当時の北京や天津の街並みは北京のスタジオに再現しました。
私は3人の主人公と同じ松山生まれです。そのため「坂の上の雲」には特別の思い入れがあります。この小説は4回読み、このドラマは2回見ています。
松山市もこの小説を市の活性化のために活用し「坂の上の雲ミュージアム」を作ったり、秋山兄弟生誕地を整備したりしています。
大河ドラマシリーズはこれでおしまいです。このシリーズ24回は楽しみながら書くことができました。
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