被団協にノーベル平和賞が与えられる(NO.1858)
2024年10月11日、被爆者団体の全国組織「日本原水爆被害者団体協議会(被団協)」にノーベル平和賞を授与することがノルウェーのノーベル委員会より発表されました。
被団協はビキニ環礁の水爆実験で日本の漁船「第五福竜丸」が被ばくしたことをきっかけに、その2年後の1956年に、広島、長崎の被爆者を中心に発足しました。1945年の広島、長崎の原爆投下から11年後のことです。
その後「ノーモア。ヒバクシャ」をスローガンに国内外で署名活動や請願を続けてきました。その活動の成果の1つが1995年の被爆者援護法の施行です。
2016年に米国のオバマ大統領が広島の原爆祈念式典に参列した時に、被爆協の代表だった坪井直氏と握手した場面は、原爆投下者と被爆者の和解の象徴として世界に発信されました。
読売新聞の社説に「今回の受賞は、ロシアによるウクライナ侵攻で核の脅威が高まる中、核兵器の廃絶を訴え続け、軍縮の機運を醸成してきたことが高く評価された。(中略)だが、核をめぐる情勢はむしろ悪化している。ロシアによる威嚇に加え、中国は核弾頭を増やしている。北朝鮮の核・ミサイル開発もアジアの安全を脅かしている。ロシアは核使用の可能性をほのめかし、イスラエルはイランの核施設攻撃の可能性を捨てていない。今回の受賞決定は、こうした動きに対する重い警告の意味も込められているのではないか。」と出ていました。
ストックホルム国際平和研究所によると、核弾頭保有国は、米国、ロシア、英国、フランス、中国に加えて、インド、パキスタン、イスラエル、北朝鮮の9か国で、核弾頭の数は推定総数1万2121発にもなっています。
日本は核の被害を受けた唯一の国です。核使用がどれほど残虐な被害を人類にもたらすかを知っています。被団協にお祝いをするとともに、今回の受賞が世界平和に少しでも役立つことを願っています。
| 固定リンク | 0
コメント