2021年11月 1日 (月)

衆議院議員選挙-中選挙区制に戻すべき(NO.1529)

 令和3年10月31日衆議院議員選挙が行われました。岸田新首相になって、新内閣、新党組織のもとに約1か月後に行われた選挙でした。結果は次の通りでした。

    獲得議席 選挙前議席

・自民 261  276

・立民  96  110

・維新  41   10

・公明  32   29

・国民  11    8

・共産  10   12

・その他 14   16

 自民党は選挙前の議席から減らしたものの、過半数(233)を上回りました。公明党と合わせた与党では国会を安定的に運営できる絶対安定多数(261)を上回りました。

 立憲民主党は、共産、国民、れいわ新撰組、社民と5党連合を組みましたが、かえってそれが逆に作用したものと思われ数を減らしました。極端に政策の違う共産党と組んだため、支持者離れをおこし、無党派層からもそっぽを向かれたのではないでしょうか。私の独断ですが、日本の共産党は、名前が同じ一党独裁の中国の習近平の共産党とイメージが重なると思います。

 日本維新の会は41名と4倍以上に数を伸ばしました。大阪を中心として関西地方で強さを発揮しました。

 驚いたのは自民党の派閥の領袖の1人の石原伸晃氏と自民党の甘利幹事長が落選したことです。甘利氏は比例で救われましたが、石原氏は比例も及びませんでした。

 私の千葉8区は失言を繰り返しオリンピック大臣を更迭された桜田義孝氏が敗れました。私が当選してほしくないと願っていた人です。ところが比例で当選しました。比例で救われたのは3回目です。

 今の小選挙区制は改革すべきです。私は自民党の候補に投票したいのですが、桜田氏以外に候補がいないのです。仕方なく嫌いな共産党と結びついた立憲民主党の本庄氏に投票することになりました。棄権も考えましたが、棄権はしたくないと思ったからです。

 若い人の投票率が低いと問題になっていますが、投票したい人がいないと棄権するしかありません。以前の中選挙区制のほうがよかったと思います。

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2021年10月 6日 (水)

岸田内閣誕生、しっかり仕事をやってほしい(NO.1519)

 10月4日、自民党の岸田文雄総裁は国会で第100代首相に指名され、皇居での首相親任式と閣僚認証式が行われ、岸田内閣が誕生しました。

 岸田自民党総裁は9月29日の総裁選挙で、河野太郎、高市早苗、野田聖子の3氏を破り総裁に選出されました。1度目では過半数に達せず、決選投票の結果河野太郎氏を破りました。

 岸田内閣の重要閣僚は自民党の主要派閥から起用されました。最後まで争った河野太郎氏は重要ポストから外されました。

 閣僚は岸田氏の言によると、「老壮青」のバランスを重視したとのことで、20閣僚のうち13閣僚が初入閣となりました。40代が2人入閣しましたが、77歳が2人入っているのはちょっと気になるところです。女性は3人です。これは少ない感じです。

 菅内閣で河野太郎氏が担当していた、行政・規制改革大臣がなくなったのは、岸田内閣は行政・規制改革に力を入れないのではないかとの疑問を抱かせます。若いフレッシュな人が入閣したのはプラスですが、小泉内閣の田中真紀子外務大臣のように、その能力のない人が大臣になったのではないかという心配もあります。

 今の日本は多くの問題を抱えています。コロナ退治、医療制度改革、経済再生、財政改革、格差解消、中国や北朝鮮や韓国との外交、少子化対策、参議院制度改革、災害対策、憲法改正など、難しい問題が目白押しです。誠心誠意、死ぬ気で取り組んでもらいたいものです。くれぐれも金銭問題や失言でその職を追われることのないよう祈っています。

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2021年9月24日 (金)

「新しい歴史教科書」を発行する自由社が国家賠償請求訴訟を提訴(NO.1513)

 手賀沼通信第278号に投稿いただいた「新しい歴史教科書をつくる会」の埼玉県支部長の篠原寿一氏から「つくる会FAX通信」をいただきました。「自由社が国家賠償請求を提訴」についてのFAXでした。

 内容は次の通りです。

 「『新しい歴史教科書』を発行する自由社は9月21日、文科省の令和元年度検定において「違法検定」がなされ、その結果著しい被害を被ったとして、逸失利益など計1200万円を求めた国家賠償請求訴訟を提訴しました。

 被告は国(上川陽子法務大臣)に加え、検定の実質責任者である中前吾郎主任教科書調査官、村瀬信一教科書調査官(自由社担当)、黒沢文貴教科書検定審議会社会科部会歴史小委員長の個人三氏となります。

 自由社は訴状において、中前吾郎と村瀬信一両被告が、共謀のうえ、一発不合格制度を適用して自由派を不合格にすることを企て、検定意見を水増しし、合計405件にまで検定意見を積み上げたとしました。さらに黒沢文貴小委員長については、水増しされた検定意見であることを知りながら、同小委員会を主導して405件の一発不合格の検定意見を決定したとして、三氏の検定における違法性を訴えました。またその証拠として、ダブルスタンダード事例を含む50件の違法検定意見を提出しました。(後略)」

 篠原さんはコメントとして、

 「国家賠償請求裁判はなかなか難しい裁判だそうですが、文科省の左傾化をこれ以上放置することは危険であり、国家として日本国のためにならないという判断です。私も当事者の一人として記者会見に臨みました。産経新聞は掲載してくれましたが、他の新聞は無視なのでしょうね。司法省記者クラブの会見では10社以上のマスコミが出席しましたが、文科省記者クラブは5~6社でした。」とありました。

 全く別の話ですが、自民党総裁の候補になっている河野太郎氏の父親の河野洋平氏は官房長官時代にいわゆる従軍慰安婦の強制性を認めたうえ、謝罪するという「河野談話」を発表した張本人です。これがありもしない従軍慰安婦問題を大きくしました。

 自由社の教科書は従軍慰安婦を否定しています。

 私個人としては河野氏を応援していますが、もし総理になったときにも、この裁判に横やりを入れることはないと信じています。

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2020年9月15日 (火)

菅義偉官房長官が自民党総裁に(NO.1381)

 令和2年9月14日自民党総裁選挙が行われ、菅義偉官房長官が第26代総裁に選ばれました。

 総裁選には菅氏と岸田文雄政調会長、石破茂元幹事長が立候補しました。今回の総裁選挙は安倍晋三首相が健康上の理由で自民党総裁と首相を退任するために行われたものです。非常時で緊急を要するため、自民党の衆議院議員と参議院議員(393票)、47都道府県連代表(各3票=141票)で行われました。自民党員による全国一斉の投票は見送られました。

 選挙の結果は菅義偉氏377票、岸田文雄氏89票、石破茂氏68票でした。菅氏は過半数(267票)を超える圧勝となりました。明日16日に召集される臨時国会で第99代総理大臣に指名されます。

 読売新聞政治部長は「主要派閥が早々と推したことで流れができた側面は否めない。それでも、安倍内閣の大番頭を務め、政策の「継承」を掲げる菅氏が票を集めたのはうなずける。新型コロナウィルスの感染拡大で、経済が急速に落ち込む中、余韻に浸っている時ではない。菅氏自身が誰よりも自覚しているはずだ。指導力の発揮が欠かせない」と述べています。

 菅氏は無派閥で、海部俊樹氏以来の国会議員や首長を父に持たない「非世襲」総裁です。秋田県出身、高卒後2年間工場に勤めた後、法政大学で学んだ異色ずくめの「たたき上げ宰相」が誕生します。

 新型コロナ対策では安倍内閣は後手に回りました。菅官房長官にもその責任の一端はあります。今までの対策を検証し、効果的な手を打ってほしいと願っています。

 古い話になりますが1972年に佐藤栄作首相引退後の自民党総裁を選ぶ選挙がありました。「三角大福」の三木武夫、田中角栄、大平正芳、福田赳夫が立候補、過半数が取れなかったので、1位の田中角栄、2位の福田赳夫の決選投票となりました。結果は田中角栄が総裁に選ばれました。その結果がでたラジオでの実況中継を仕事帰りのタクシーの中で聞いたのが今でも耳に残っています。あとで知ったことですが、裏ではいろいろな密約や現金の札束が飛んだという話があったようです。今回はそんなドロドロした話はなかっと信じたいです。

 菅首相に期待することは、一刻も早くコロナの災害から抜け出し、新しい日本を作る覚悟でリーダーシップを発揮してもらいたいと思っています。

 

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2020年8月29日 (土)

安倍首相の功績は長く政権を続けたことか(NO.1376)

 令和2年8月28日安倍首相が首相官邸で記者会見し、持病の潰瘍性大腸炎の悪化を理由に首相を辞任することを表明しました。

 安倍首相は2012年12月の衆議院選挙で民主党に圧勝、政権を奪回しました。そして今月の24日には佐藤栄作元首相を抜いて連続在籍最長の7年8か月となったばかりでした。コロナ禍の中でやめることになるのは他の主要国のリーダーにはいません。病気がよほど悪いのでしょう。

 私も病名は大腸憩室出血で首相とは違いますが、3度入院しています。腸の炎症は日常生活にSTOPがかかります。ある日突然出血し、絶食、止血止めの点滴の毎日でした。首相の潰瘍性大腸炎は大腸の粘膜に炎症が起こってただれ、血便や下痢、腹痛が続く病気で、原因不明の難病です。難しい時期の政治と治療の両立はできません。治療に専念していただき、早期の回復を祈っています。

 安倍首相は政権を安定させたことが第1の功績でしょう。それまでは国のリーダーがくるくる変わっていました。大統領制の国は大統領の任期が決まっています。アメリカは4年または8年、韓国は5年です。中国は10年でしたが習近平がもっと長くしました。ロシアもプーチンが勝手に居座れるようにしました。イギリスは日本と同じ議院内閣制ですが、2大政党があるため比較的長期政権です。日本だけが長続きしない状態でした。

 ただ安倍さんが長続きしたのはほかにリーダーとなるべき人材がいなかったせいもあります。以前は「三角大福中」とか、「安竹宮」などといった、首相候補者が順番を競っていました。ところが近年は安倍1強でした。野党がどうしようもないためもありました。安倍さんにはこれといった功績はありませんが、安定した政治を続けられたのが功績と言えるかもしれません。海外とは韓国を除いて比較的良好な関係を保てました。韓国はだれがなっても向こうがその気にならない限りダメでしょう。

 今はとにかくコロナを封じ込めることが大事です。誰が次に来るかわかりませんが、みんなが力を合わせて政治家が泥をかぶるつもりで、この難局を乗り切ってほしいものです。

 そして次の日本を背負っていける人材を育ててほしいと願っています。

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2020年6月 7日 (日)

なぜコロナ渦で経済が落ち込んでいるのに株価が上がっているのか-私の独断(NO.1353)

 令和2年6月5日ニューヨークの株式市場は大幅に上昇し、ダウ平均株価は2万7千ドルを超えました。3か月ぶりのことです。コロナ渦で一時は1万8千ドル台まで落ちていたのですが、驚くべき回復です。

 日本の日経平均株価も一時は1万6千円台まで落ちましたが、今は2万2千円台まで回復しています。

 一方アメリカのコロナ渦は6月6日現在、感染者約190万人、死亡者は約11万人に上っています。毎日の感染者はここ1か月間を取っても2万人を超え、毎日の死亡者は1千人前後となっています。アメリカの企業活動は停滞、失業率も13%台に上っています。

 日本でも感染者と死亡者の増加は止まらず、実質経済にも、減収減益、赤字、失業、新規雇用取り消し、倒産、など多くの問題を抱え、今年度のGDPは大幅なマイナスが予想されています。

 なんで株価だけがとんでもない数字になっているのでしょうか。

 私の独断ですが、3つの理由を考えました。

 1つは、実質経済や個人の救済のため、政府が金融を緩和し、財源を無視してお金を支出していることだと思います。救済は当然のことですが、各国の中央銀行が資金をじゃぶじゃぶ放出し続ける限りその運用先は必要で、結果として資金が株式市場に流れていくことになっているのではないかと思います。

 2つ目は主としてアメリカの場合ですが、失業率などの数字が予想より少しでも良くなると、将来の改善を先取りして株価が上がるのではないかと思います。それが日本ではアメリカの株価に悪(?)乗りして日経平均も上がるのだと思います。

 3つ目は投資家のマネーゲームだと思います。コロナで一儲けをしようとしている人たちです。いつの世にも一部でしょうが、そういう人がいるものです。

 これも私の独断ですが、今の株価はバブルだと思います。いずれ実質経済に足を引っ張られてはじけると考えています。

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2019年12月 1日 (日)

中曽根康弘元首相死去(NO.1294)

 令和元年11月23日、中曽根康弘元首相が101歳で亡くなりました

 中曽根氏は1982年11月から1987年11月まで約5年間、1806日間首相を務めました2003年に引退するまで連続20回の当選を重ね、衆議院議員在職期間は56年間に及びました

 一時は三木武夫、田中角栄、大平正芳、福田赳夫、中曽根康弘の「三角大福中」の1人として話題を呼びましたが、私は中曽根康弘の名前を5人の中で一番最初に知りました。1950年代の後半、大学生として東京から愛媛県に帰省する途中の東海道線の車窓から、「日本の首相は国民投票で選ぼう 中曽根康弘」の看板を見かけたのです。正確な文章は違ったかもしれませんが、大統領のように直接国民が選ぶべきという表現でした。そこで中曽根さんの名前を知ったのです。

 そのあと考えを変えたのかもしれませんが、それから20数年後に首相に選ばれたのです。

 読売新聞の社説には「戦後史に刻む『大統領的』首相」とのタイトルで載っていました。

 中曽根氏は「戦後政治の総決算」を掲げ,多くの改革を成し遂げました。「聖域なき行財政改革」に取り組み、国鉄、電電公社、専売公社の3公社の民営化を成し遂げました。

 当時国鉄は大赤字にありながら、国鉄労組が「順法闘争」の名目で違法闘争を繰り返し、ダイヤは乱れるやら、電車の車体に落書きをするやらめちゃめちゃの状態でした。電電公社は国内の通信を独占し、法外な市外電話料金を課したり、電話を引くのに待たせた挙句債券を購入させたり、こちらは大もうけをしていました。

 中曽根首相はトップダウンで,民営化を図りました。生まれ変わったJRは便利になり、サービスを向上させました。NTTは他の新規参入の通信会社と熾烈な競争をする羽目になりましたが、国民は技術発展と低料金化で大きな利益を得ることとなりました。

 中曽根首相は、外交面では強固な日米関係を築きました。ロナルド・レーガン大統領とは、「ロン」、「ヤス」と呼び合うような親密な関係となりました。青梅線沿線の中曽根首相の別荘にレーガン大統領が招かれたことを思い出しています。首相として立派な業績を残したと思います。

 今、国会は「桜を見る会」騒動でもめていますが、日本の国会はもっと重要なことを決める機関だと思います。国会議員と政治家と政治の堕落を見ているような気がしてなりません。

 

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2019年7月23日 (火)

やはり参議院選挙制度の見直しが必要(NO.1255)

 2019年7月21日に参議院選挙が行われ、予想通り与党が過半数を獲得し勝利しました。124名の定員に対し、自民57、公明14で、与党が71でした。野党は立民17、国民6、維新10、共産7、社民1、諸派3、無所属9でした。

 直前の国会でも野党は政策の対案を示せず、閣僚や委員長などに対して解任決議案や不信任決議案を出すだけに終始したことからも国民の信任を得られなかったのだろうと思います。

 もう1つの予想通りは投票率が48.8%と50%を切ったことです。過去2番目に低い投票率です。

 棄権した人はそれぞれいろいろな理由があったことでしょうが、各党から出されたいろいろなおいしい公約にやはり国民の信頼を得られなかったことが大きいと思います。おいしい公約には財源が必要です。財源については企業や高額所得者の税を重くするというだけで数字的な根拠やそれから生ずる問題には触れていませんでした。

 それから忘れてならないのは今の参議院の制度に疑問を持つ人たちが投票に行かなかったこともあると思います。 

 そしてもう1つの予想通り、またまた1票の格差が問題として、弁護士グループが選挙の無効をを求めて全国の8つの高裁に一斉提訴したことです。

 今回の参議院選挙に備えて、政府は昨年2018年の改正公職選挙法で定数を6つ(今回の分は3)増員していました。人口減少にもかかわらず、憲法違反をかわすためでした。

 2015年の改正公職選挙法の付則では「選挙制度の抜本的な見直しを検討し結論を得る」としていましたが、弁護士グループは「定数を増やしただけで抜本的な解決策は全く示されていない。人口比例に基づく定数配分になっておらず無効だ」と主張しています。

 今の参議院の選挙が人口配分で定数を決める限り、この訴訟問題は選挙のたび毎回続くと思います。人口減少と人口の都市集中はこれからも激しくなると予想されます。1票の格差はますます大きくなります。抜本的改正に取り組まない限り、憲法違反の訴訟と定員増加または減少のいたちごっこは続きます。

 欧米も主要国は2院制をとっていますが、人口比例で定員を決め選挙を行っているのはイタリアくらいです。日本も参議院はアメリカをお手本として各県2名を定数とするなどと選挙制度を抜本的に変えるべきです。

 安倍内閣は憲法改正に取り組む姿勢を示しています。おそらく日本の防衛を第一に考えての憲法改正と思いますが、選挙制度改革にも本腰を入れて取り組んでほしいと願っています。

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2019年7月 9日 (火)

参議院は日本にとって必要か(NO.1250)

 令和元年7月4日に参議院議員選挙が公示され7月21日に選挙が行われます。いま、与野党から370人が立候補し選挙運動が繰り広げられています。

 私は以前から日本の政治にとって参議院が本当に必要なのか疑問を持ってきました。衆議院のコピーではないのか、ねじれ現象を起こしたときには重要な決定が遅れたのではないか、本当に必要な論議が行われているのだろうかなどと考えていました。

 特に昨年7月、1票の格差を憲法に違反しないよう、議員定数を6増やした改正公職選挙法が可決成立した時、これから急速に人口減少社会に突入する日本で議員定数を増やすことは時代への逆行ではないのかと強く感じました。

 そこでネットで調べてみました。いくつかありましたが、2003年に国立国会図書館の政治議会課の田中嘉彦氏が書いた「二院制を巡る論点」が公平な立場から書かれたものではないかと感じたのでその内容と最近の情報を合わせてまとめてみます。

 二院制を敷いているのは2016年現在、192ヶ国中77ヶ国で約40%です。

 欧米の主要国は北欧を除きほぼ二院制です。中国、韓国、台湾などは一院制です。

 ところが欧米は二院制といっても議員の任期や選出方法は各国でまちまちです。日本のように直接選挙で各選挙区の人口に基づいて議員が選ばれるのは日本とイタリアくらいです。

 アメリカも直接選挙ですが上院は各州定員2名です。人口には比例しません。イギリスは任命制と世襲制で任期は終身、ドイツは任命制、フランスは間接選挙、カナダは任命制で終身、ロシアは立法・行政機関の長で構成、などどなっています。

 一院制と二院制にかかわる論議としては、フランス革命期の理論的指導者シェイスは、「第二院は何の役に立つのか、もしそれが第一院に一致するなら無用であり、もしそれに反対するなら有害である」と二院制を否定的に述べています。

 一方19世紀のイギリスの思想家ウォルター・バジョットは「理想的な下院が存在する場合には、上院は不必要であり、有害でもある。しかし現実の下院を見ると、修正機能を持ち、また、政治に専念する第二院を併置しておくことは、必要不可欠とは言えないにしても、極めて有益である」と条件付きで肯定しています。

 日本の参議院がどういった経緯で誕生したのか知りませんが、衆議院の修正機能を持っているとは思われません。今までに、「参議院があってよかった」とか、「よくやった参議院」ということはなかったように感じています。

 10月から消費税が2%上がります。私の乱暴な意見で、数字の根拠は全くありませんが、もし参議院をなくせば、議員や公設秘書の歳費、諸手当、議院や議会や議員宿舎などの諸経費、3年に1度の選挙の際の国や各県の選挙費用や人件費などがなくなります。議員や秘書や選挙の応援をする人やマスコミや投票に行く人のワークロードや時間を他の生産活動や経済活動に振り替えるのをお金に換算してみれば、おそらく節約できた諸経費と合わせて消費税の1%くらいは節約できるのではないかと感じます。

 ただなくすためには憲法改正が必要です。ほとんどの参議院議員は反対するでしょう。不可能なら改革すればいいのです。どう改革するかは国民が考えればいいのです。

 最後に田中氏がまとめた二院制の長所と短所を述べます。

<長所(メリット)>

・立法機能の分割により、立法府が全能となることを抑止

・拙速を避け、慎重に審議

・第一院の衝動的な行動をチェック

・数を代表する第一院に対し第二院が国民の「理」・「良識を代表

・国民の多様な意見をきめ細やかに代表

<短所(デメリット)>

・第二院が強い拒否権を有する場合、立法上の行き詰まりが生じる

・両院の機能が重複している場合、政策決定が遅延・両院間の意志の統一を図る必要があり、立法過程が複雑化

・第二院の維持にかかる諸経費が必要

・第二院の意見が第一院や政府によって無視されるようになると二院制の有効性・政治的正当性が喪失

 はたして今の参議院がメリットを有効に活かしているでしょうか。デメリットばかりが目立っているように思えてなりません。

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2018年7月19日 (木)

常識はずれな参議院議員定数増(NO.1144)

 平成30年7月18日、参院定数を6増する改正公職選挙法が衆議院本会議で与党の賛成多数で可決成立しました。

 背景には議員1人当たりの有権者数の格差を合憲状態にするため導入した合区が、「人口減少県の民意が国政に届かなくなる」などの理由をつけ合区を解消しようとしたものです。

 いま日本は人口減少に向かって突き進んでいます。そのような時代に莫大な費用が掛かる国会議員の定数を増やすことはまさに時代への逆行と言えます。とんでもない改正です。

 今の選挙制度は複雑すぎます。各政党と議員の妥協のもとにできた制度で、選挙区からの当選者と比例代表の当選者が複雑に絡み合っています。今は人口の減少の時代に人口が都市に集中する時代です。目先の改正ではすぐまた違憲状態になります。

 衆議院と参議院の違いもあいまい、選挙の方法も似ています。選挙区の区割りがスムーズに行えるようにはなっていません。

 抜本改正が必要です。私はアメリカの例を参考に次ような案を考えてみました。

 まず比例代表はなくします。直接1人の候補者に投票することにします。

 衆議院は都道府県単位で人口に比例して定数を決めます。そしてその各県の定数は4年単位で見直し人口に比例させます。そうすれば1票の格差が問題になることはありません。

 参議院は各県2人を定数とします。したがって定数は94人となります。今の半分以下になります。

 人口の多い県も少ない県も同じ人数ですから地方の声が届かないことはなくなります。3年に1回各県1人ずつ改選するのは今と同じです。

 このように制度を変えるのは憲法改正が必要でしょう。今の議員、特に参議院は定数が大幅に減るため反対が多いと思います。明治維新のように大改革となります。

 それでも変えなければ日本がおかしくなるのではないでしょうか。

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