読書の終活「空海の風景」を読み終え「項羽と劉邦」へ(NO.1348)
令和2年5月21日、司馬遼太郎の司馬遼太郎の小説の5作品目の「空海の風景」を読み終えました。
今まで読んできた司馬遼太郎の小説の中では「空海の風景」は異色だと感じました。氏の小説にいつも期待している「面白さ」はほとんどありせん。いつだったか忘れましたが、会社の同僚に司馬遼太郎の小説は面白いと言ったところ、最初に「空海の風景」を読んだらしく、「面白くない」という返事が返ってきたのを思い出しました。
この小説は空海の人物像と業績を、本人や弟子や関係者の著作や手紙などを多く引用して描いた作品です。空海は密教の真言宗を起こしました。同時代に顕教の天台宗の教祖となった最澄と対比しながら書いています。空海は田舎の名もない僧でした。唐の長安に行きそこで天賦の才を発揮し、ただ一人密教を継承して帰朝後も活躍しました。一方最澄は桓武天皇も認める高僧で空海と同時期に唐に行き天台宗を持ち帰りました。ところが帰朝後は空海ほどの評価は得られませんでした。
空海の弘法大師は源義経と同じように行ったはずがないところに伝説が残っています。空海の高野山金剛峰寺と最澄の比叡山延暦寺は別々に訪れたことがあります。空海の生まれた場所にある善通寺にも行きました。その時の記憶を思い出しながら「空海の風景」を読みました。
司馬遼太郎の6作品目は、唐より数百年前の時代の「項羽と劉邦」を読むことに決めました。昭和52年から54年に書かれたもので、私が持っているのは平成8年に出版された文庫本です。
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