2023年5月23日 (火)

大河ドラマシリーズー24 スペシャルドラマ・坂の上の雲(NO.1712)

 スペシャルドラマ「坂の上の雲」は通常の大河ドラマとは別のスペシャルドラマとして2009年から2011年まで3年間にわたって放映されました。

 この3年間は通常の大河ドラマは11月中に終了し、そのあとは年末までスペシャルドラマが放映されました。

 原作者は司馬遼太郎です。司馬遼太郎は生前この小説は「戦争賛美と誤解される。映像化するには作品のスケールを描ききれない」として映像化を断っていました。氏の死後NHKの熱意とVFXなどの映像技術の発展によりテレビドラマ化されることになりました。

 「坂の上の雲」は2009年から1年ごとに1部、合計3部に分かれています。1回の放映時間は大河ドラマの2倍の90分です。

 第1部は5回、主人公と(主演俳優)は秋山真之(本木雅弘)、秋山好古(阿部寛)、正岡子規(香川照之)、広瀬武夫(藤本隆宏)です。秋山真之の生誕から始まり、3人の主人公の松山時代や日清戦争を経て、真之、好古、広瀬の海外留学までを描きました。

 第2部は4回、主人公は変わらず、子規の死や日露開戦から広瀬の死までを描いています。

 第3部は4回、主人公から正岡子規が抜け、東郷平八郎(渡哲也)が加わりました。4回に分けて日露戦争を旅順から日本海海戦まで描きました。

 脚本は全体を通して野沢尚、柴田岳志、佐藤幹夫が担当、第3部には加藤拓が加わっています。平均視聴率は第1部17.5%、第2部13.5%、第3部11.5%でした。

 配役はこれ以上ないほど豪華でした。過去の大河ドラマの主演俳優が続々登場しています。また役に打ち込んだ俳優も立派でした。秋山真之役の本木雅弘は収録中の3年間はこの役だけに専念し他の役は受けませんでした。子規役の香川照之は子規の病気に合わせて17キロ体重を落としました。

 ロケーションは国内50カ所以上、国外は、内モンゴル、ロシア、イギリス、フランス、ラトビア、マルタ島などでロケをしています。

 VFX技術も駆使しました。日本とロシアの白兵戦や騎馬戦を日本側はサロベツ原野や函館で撮影し、ロシア側はラトビアやフランスで撮影して、最終的にVFXで合成という離れ業を使っています。

 上海には明治時代の日本の街並みのセットを作りました。当時の北京や天津の街並みは北京のスタジオに再現しました。

 私は3人の主人公と同じ松山生まれです。そのため「坂の上の雲」には特別の思い入れがあります。この小説は4回読み、このドラマは2回見ています。

 松山市もこの小説を市の活性化のために活用し「坂の上の雲ミュージアム」を作ったり、秋山兄弟生誕地を整備したりしています。

 大河ドラマシリーズはこれでおしまいです。このシリーズ24回は楽しみながら書くことができました。

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2023年5月13日 (土)

大河ドラマシリーズーその23 原作者とオリジナル脚本(NO.1710)

 大河ドラマまとめの3回目です。

 原作とオリジナル脚本を見てみましょう。

 今までの61作品のうち原作者があるものは39回、原作がなくオリジナル脚本で放映されたのが22回です。1作目から第17作までは原作がありました。その後は時々オリジナル脚本のものが交るようになりました。そして2010年からは13本中、2018年の「西郷どん」を除いて、12本がオリジナル脚本になっています。おそらく大河ドラマにふさわしい長編小説がなくなってきたのかもしれません。

 2回以上大河ドラマに取り上げられた原作者は次の通りです。

①司馬遼太郎 6回(「坂の上の雲」を除く)

②吉川英治 4回

③山岡荘八 3回

④船橋聖一 2回

④堺屋太一 2回

④永井路子 2回

④海音寺潮五郎 2回

④大佛次郎 2回

④宮尾登美子 2回

④高橋克彦 2回

 一方、2回以上オリジナル脚本を書いた脚本家は次の通りです。

①三谷幸喜 3回

②橋田寿賀子 2回

②ジェームス三木 2回

②前川洋一 2回

 今放映中の「どうする家康」もオリジナル脚本です。今後原作付きの大河ドラマは出てくるのでしょうか。

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2023年5月11日 (木)

大河ドラマシリーズーその22 大河ドラマの主人公と主演俳優(NO.1709)

 大河ドラマのまとめその2です。主人公と主演俳優を見てみましょう。

 今まで登場した主人公は76人です。61回の大河ドラマに76人の主人公が出ているのは1回のドラマに複数の主人公が描かれたためです。架空の人物を主人公にしたドラマが5回あります。

 2人の主人公が登場したドラマは8回あります。3人の主人公が描かれたのが「三姉妹」「葵徳川三代」の2回、4人の主人公が出たのが「炎たつ」です。

 2回以上主人公になった人物は次の7人です。

①大石内蔵助 4回

②織田信長 2回

②豊臣秀吉 2回

②徳川家康 2回

②坂本龍馬 2回

②平清盛 2回

②西郷隆盛 2回

 戦国時代や幕末や源平時代には同じ人物が主役や脇役で何度も登場しています。

 時間をかけて、例えば、信長、秀吉、家康などがどのドラマで登場したか、だれが演じたかを追っかけるのも面白いでしょう。

 主演俳優も76人が演じています。59作品では主人公に主演俳優が対になっていますが、「勝海舟」では主演俳優が病気のため途中で入れ替わりました。また「炎たつ」では主人公の1人を1人の俳優が1人2役で演じました。

 2回以上主演を演じた俳優は次の6人です。

①石坂浩二 3回

①緒形拳 3回

①西田敏行 3回

②平幹二郎 2回

②松本白鴎 2回(市川染五郎、松本幸四郎時代に1回ずつ)

②渡辺謙 2回

 なお皆さん他の大河ドラマでもいろいろな脇役を演じています。

 緒形拳と緒方直人、先代の中村勘九郎と現在の中村勘九郎は親子で、2代目尾上松緑と4代目尾上松緑は親と孫で主役を演じました。

 時間をかければ、出演者同士のいろいろな関係が見つけられると思います。

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2023年5月 7日 (日)

大河ドラマシリーズー21 ドラマが描いた時代と平均視聴率(NO.1707)

 大河ドラマシリーズー20までで大河ドラマ61作品の簡単な解説を終わったので、全体を通してのまとめを書いてみます。

 まずドラマの舞台となった時代から始めましょう。

①戦国時代~徳川初期 23回  戦国時代の始まりから、安土桃山時代を経て、徳川2代将軍家光のころまで

②幕末~明治初期 14回  幕末から明治10年の西南戦争の終了まで

③源平時代 6回  源氏平家の最初の争いから鎌倉幕府の初期まで

④明治~昭和 5回  西南戦争以後の明治時代から昭和の終わりまで

⑤忠臣蔵事件 4回  時代としては江戸時代ですが、忠臣蔵がテーマなので別にしました

⑥江戸時代 3回  忠臣蔵事件を除く

⑦平安時代 2回

⑧鎌倉時代 1回

⑧南北朝時代 1回

⑧室町時代 1回

⑧琉球王朝 1回  時代としては江戸時代ですが琉球王朝がテーマなので別にしました

 何といっても戦国時代のドラマが群を抜いています。この時代は世の中が目まぐるしく変わり、いろいろな人物やいろいろな場所がかわるがわる脚光を浴びました。原作となる長編の名作が多く出版されていたのも、多くドラマが生まれる原因になったのだと思います。

 視聴率ベスト5のうち4つがこの時代のドラマです。ベストスリーは意外にも、信長、秀吉、家康の3大英雄ではなく、「独眼竜正宗」、「武田信玄」、「春日局」で、1987年から3年連続しています。4番目は大河ドラマ2作目の「赤穂浪士」で、5番目に「ねね」が主人公の「おんな太閤記」が入っています。

 2番目に多い舞台となったのは幕末から明治初期です。やはり激動の時代で、多くのヒーローが登場したためでしょう。

 ところが幕末を描いたドラマは戦国時代を描いたものと比べると視聴率が低くなっています。「篤姫」の17位が幕末物の最高視聴率です。理由はわかりません。勝手なことを言わせてもらえば、幕末物はリアルすぎて「面白さ」に欠けているのかもしれません。意外なのは、6作目で幕末で最も人気のあると言われる坂本竜馬を描いた司馬遼太郎原作の「竜馬が行く」が52位を記録していることです。なお、49作目でオリジナル脚本の「龍馬伝」は39位でした。

 なお忠臣蔵事件は「赤穂浪士」「元禄太平記」「峠の群像」「元禄繚乱」と4回ドラマ化されていますが、4人の原作者がそれぞれ違った視点から描いたものです。

 ここで平均視聴率について考えてみましょう。

 平均視聴率はビデオリサーチ社の関東地区の平均視聴率を参照しています。これはNHK綜合テレビの通常日曜日午後8時からの放送の視聴率のはずです。

 60年前に大河ドラマが始まったときはNHKの放送チャネルは綜合テレビしかありませんでした。土曜日に再放送されていたかは知りません。今はBS放送があり、さらにオンデマンドやNHKプラスがあります。録画してみる方法もあります。私の場合はBSプレミアムで録画して後で見るようにしています。おそらく平均視聴率には含まれないと思います。

 最近の大河ドラマの平均視聴率が低いのは、総合テレビの日曜日の午後8時の番組以外で見た人の数字が反映されていないのが、その原因の1つになっているのではないかと思います。

 平均視聴率を単純に比較するのは間違っていると考えています。

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2023年4月25日 (火)

大河ドラマシリーズー20 第58作~第61作(NO.1705)

 第58作は「いだてん~東京オリムピック噺~」です。

 2019年放映、主人公は金栗四三と田畑政治、主演俳優は6代目中村勘九郎(金栗四三)と阿部サダヲ(田畑政治)、原作者はなしのオリジナル作品、脚本は宮藤官九郎、平均視聴率は8.1%(61位)です。

 物語は前半と後半とで主人公が変わります。

 前半の主人公は1912年のストックホルムオリンピックに日本初の参加選手としてマラソンに出場した金栗四三です。後半は1964年の東京オリンピック招致に尽力した田畑政治の話です。

 物語は五代目古今亭志ん生が語る架空の落語「オリムピック噺」の語りにのせて進行するという形で展開されました。

 ところが平均視聴率8.1%で、大河ドラマ史上最低となりました。私も期待しながら見始めましたが、話の展開についていけず途中で見るのをやめました。演技が騒がしすぎて、タイトルバックの奇抜な画面にも驚きました。

 大河ドラマファンは離れていったようですが、専門家の評価は高かったらしく、いくつか賞をもらっています。

 第59作は「麒麟がくる」です。

 2020年1月~2021年2月放映、主人公は明智光秀、主演俳優は長谷川博己、原作者はなしのオリジナル作品、脚本は池端俊作、前川洋一、岩本真耶、河本瑞貴の4人、平均視聴率は14.4%(53位)です。

 明智光秀の謎に満ちた生い立ちから始まり、本能寺の変の後、豊臣秀吉との戦いに敗れて死ぬまでを描いています。

 新型コロナウィルスのため、途中での収録の一時中止、放送の一時中止があり、放映は翌年の2月までかかりました。

 第60作は「晴天を衝け」です。

 2021年2月~12月放映、主人公は渋沢栄一、主演俳優は吉沢亮、原作者はなしのオリジナル作品、脚本は大森美香、平均視聴率は14.1%(54位)です。

 この作品も新型コロナウィルスの影響を受け、放映開始が2月からとなりました。また7月末から9月初めまで、東京オリンピック、パラリンピックのため、5話分の放送が後ろに延ばされて、全41回の放映になりました。

 ドラマは「日本資本主義の父」といわれた渋沢栄一を主人公に、江戸時代の終わりから明治時代初期を描きました。

 主役の吉沢亮は大河ドラマの主演俳優としては初めての平成生まれです。1万円札の顔となる渋沢栄一になり切った感じでした。

 第61作は「鎌倉殿の13人」です。

 2022年放映、主人公は北条義時、主演俳優は小栗旬、原作者はなしのオリジナル作品、脚本は三谷幸喜、平均視聴率は12.7%(57位)です。

 「鎌倉殿の13人」とは源頼朝をささえた北条義時を中心とする13人の家臣です。物語は源平合戦と鎌倉幕府誕生の過程で繰り広げられる権力の座を巡る駆け引きを、ユーモアを交えたホームドラマのような描写とともに、徹底して無情で陰惨な粛清劇として描いています。

 私は史実と異なる描写が多いため途中で見るのをやめましたが、高校生の孫娘はこのドラマのファンとなり最後まで見たようです。ある新聞では「若年層を中心に配信(の視聴率)は好調」だったとし、「大河最高傑作」の呼び声が高いと書いていたそうです。

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2023年4月14日 (金)

大河ドラマシリーズー19 第55作~第57作(NO.1701)

 第55作は「真田丸」です。

 2016年放映、主人公は真田信繁(幸村)、主演俳優は堺雅人、原作者はなしのオリジナル作品、脚本は三谷幸喜、平均視聴率は16.6%(49位)です。

 タイトルの「真田丸」は大坂の陣で真田信繁が築いた出城の「真田丸」からとったものです。

 このドラマは信州上田城を根城に父真田昌幸、兄信之、信繁の真田一家の活躍、関ケ原の戦いに敗れたのちの九度山での父との隠遁生活、信繁の最後の戦いとなる2度の大坂の陣を描いています。

 「新選組!」以来の三谷幸喜のオリジナル脚本で平均視聴率は過去5年間で最高となりました。いつだったか忘れましたがある会でマイクロバスで高野山に行ったとき、途中の山道に「真田幸村の大河ドラマを作ろう」という趣旨ののぼりがたっているのを見た記憶があります。おそらく九度山町がたてたのではないかと思います。実現して地元は大騒ぎだったようです。

 大変面白いドラマでした。

 第56作は「おんな城主 直虎」です。

 2017年放映、主人公は井伊直虎、主演俳優は柴崎コウ、原作者はなしのオリジナル作品、脚本は森下佳子、平均視聴率は12.8%(56位)です。

 戦国時代、後に徳川四天王の一人に数えられ彦根藩の藩祖となった井伊直政を育てた遠州井伊谷の女領主・井伊直虎を主人公とした物語です。

 主演の柴崎コウはNHK初出演で大役を務めました。直虎については資料が乏しく、女性だったかどうかもわからない人物だったため,ドラマについての評価はまちまちだったようです。ドラマとして焦点が絞られていない感じで、途中から見るのをやめました。

 第57作は「西郷どん」です。

 2018年放映、主人公は西郷隆盛、主演俳優は鈴木亮平、原作者は林真理子、脚本は中園ミホ、平均視聴率は12.7%(57位)です。

 明治維新最大の人物で、のち西南戦争で敗れた西郷隆盛の生涯を描いた作品です。2018年が明治維新から150年にあたることから企画されました。第48作「天地人」以来9年ぶりの原作のあるドラマとなりました。

 主演の鈴木亮平は大河ドラマ初出演で主役を演じました。演ずる年齢に応じて体重を増やしたことが話題になりました。

 私は西郷隆盛が大好きなため最初から最後までしっかり楽しみました。

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2023年3月18日 (土)

大河ドラマシリーズー18 第52作~第54作(NO.1693)

 第52作は「八重の桜」です。

 2013年放映、主人公は新島八重、主演俳優は綾瀬はるか、原作者はなしのオリジナル脚本、脚本は山本むつみ、平均視聴率は14.6%(51位)です。

 会津藩の砲術師範の娘に生まれた主人公八重は砲術の達人となって会津戦争を戦います。戦いに敗れて明治維新を迎え京都に移住します。

 そこでアメリカ帰りの新島襄と知り合って結婚、共に同志社英学校、そして同志社大学を設立します。不屈の精神を持った新島八重の一生を描いた作品です。

 ドラマは明治期で終わりますが、八重は昭和期まで生き、最終回では八重本人の映像が登場します。大河ドラマで本人の映像が使用されたのは初めてでした。

 第53作は「軍師官兵衛」です。

 2014年放映、主人公は黒田官兵衛、主演俳優は岡田准一、原作はなしのオリジナル脚本、脚本は前川洋一、平均視聴率は16.4%(50位)です。

 播磨の国の小名小寺氏に仕えていた黒田官兵衛が秀吉の軍師となって活躍するまでが大筋のドラマです。官兵衛の出世物語といえるでしょう。

 その後秀吉が天下人となった後は秀吉に疎まれます。秀吉の死後関ケ原の戦いの時は九州から天下を狙いますが、関ケ原の戦いが1日で終わったことで断念、九州で生涯を終えます。これはつけたしの感じです。

 私は最初の放送時より数年後のBSプレミアムの再放送でじっくり見直しました。好きな大河ドラマの1つです。岡田准一もこのドラマで好きになりました。

 第54作は「花燃ゆ」です。

 2015年放映、主人公は杉文(吉田松陰の妹)、主演俳優は井上真央、原作はなしのオリジナル脚本、脚本は大島里美、宮村優子、金子ありさ、小松江里子の4人、平均視聴率は12.0%(59位)です。

 4人の脚本家が担当したのは大河ドラマ初、井上真央は大河ドラマ初出演で大役を務めました。

 物語は、まず吉田松陰の妹で松陰の弟子の久坂玄瑞と結婚した杉文を中心に、幕末から明治維新、維新後と続く激動の時代を描きます。久坂玄瑞が禁門の変で自刃した後、文は名前を美和と改め、波乱の人生を送りながら、姉の死後その夫の楫取素彦と再婚するまでドラマです。

 視聴率は「平清盛」と並んでそれまでの最低となりました。「花燃えず」などという声も聞かれたようです。

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2023年2月22日 (水)

大河ドラマシリーズー17 第49作~第51作(NO.1684)

 第49作は「竜馬伝」です。

 2010年放映、主人公は坂本龍馬、主演俳優は福山雅治、原作はなしのオリジナル脚本、脚本は福田靖、平均視聴率は18.7%(39位)です。

 坂本竜馬と同じ土佐出身で、三菱財閥の創業者の岩崎弥太郎の視点で竜馬の生涯を描きました。

  • SEASON1「RYOMA THE DREAMER」(第1回 - 第13回)
  • SEASON2「RYOMA THE ADVENTURER」(第14回 - 第28回)
  • SEASON3「RYOMA THE NAVIGATOR」(第29回 - 第38回)
  • FINAL SEASON「RYOMA THE HOPE」(第39回 - 最終回)

の全4部によって構成されています。福山雅治は大河ドラマ初出演で主役を演じています。福山雅治については全く知りませんでしたが「竜馬伝」を見て大ファンになりました。

 第50作は「江~娘たちの戦国~」です。

 2011年放映、主人公は江、主演俳優は上野樹里、原作はナシのオリジナル脚本、脚本は田淵久美子、平均視聴率は17.7%(44位)です。

 戦国武将浅井長政と信長の妹お市の方の娘三姉妹の次女で、徳川2代将軍秀忠の正室となった「江」を描いています。主演は大河ドラマ初出演の上野樹里が演じました。

 この作品にはいろいろな批判が寄せられました。史実を無視した場面が多かったり、三姉妹の子役時代に子役を使わず大人の俳優が演じたり、時代劇らしくないセリフが使われたりなどの批判でした。時代考証を担当した小和田哲男氏もスタッフの要求に手が負えなかったようです。私も早々に見るのをやめています。

 第51作は「平清盛」です。

 2012年放映、主人公は平清盛、主演俳優は松山ケンイチ、原作はなしのオリジナル脚本、脚本は藤本有紀、平均視聴率は12%(59位)です。

 平清盛の幼少時代から壇ノ浦で平家が滅ぶまでをを描いています。大河ドラマ生誕50周年の記念作品で、主役の松山ケンイチは大河ドラマ初出演です。

 平均視聴率はそれまでの大河ドラマの中で最低となりました。清盛の描き方が英雄らしい雰囲気がなく、私にとっては面白いところが全くない作品でした。やはり途中で見るのをやめました。

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2023年2月10日 (金)

大河ドラマシリーズー16 第46作~第48作(NO.1680)

 第46作は「風林火山」です。

 2007年放映、主人公は山本勘助、主演俳優は内野聖陽、原作者は井上靖、脚本は大森寿美男、平均視聴率は18.7%(39位)です。

 原作は、この年2007年に生誕百周年となった小説家・井上靖が1950年代初頭に執筆した同名小説「風林火山」で、井上作品の大河ドラマ化は初めてです。

 武田信玄(晴信)の軍師として知られる伝説的人物、山本勘助の生涯を描いています。戦国時代の甲斐の国が舞台となりました。原作は勘助の武田家仕官から始まりますが、大河ドラマでは前半生にあたる放浪時代からスタートし、序盤は農民の娘・ミツとの悲恋など、オリジナルの展開となっています。

 第12回「勘助仕官」から原作部分に入り、勘助が討死したとされる第四次川中島の戦いが最終回となりました。

 なお余談ですが、山本勘助は実在の人物ではないという説があります。山本勘助の名前は、江戸時代に書かれた「甲陽軍鑑」以外には出てこないからです。私の勘違いかもしれませんが、戦国時代の大河ドラマではこの作品以外には登場していないと思います。

 第47作は「篤姫」です。

 2008年放映、主人公は天璋院篤姫、主演俳優は宮崎あおい、原作者は宮尾登美子、脚本は田淵久美子、平均視聴率は24.5%(17位)です。

 原作は宮尾登美子の小説「天璋院篤姫」です。篤姫は鹿児島藩島津氏の分家に生まれますが、藩主島津斉彬の目に留まり養女として江戸幕府13代将軍・徳川家定の正室となります。

 家定の死後は「天璋院」となって、14代・徳川家茂、皇女和宮、15代・徳川慶喜などを守りながら、江戸城無血開城にも貢献します。歴史の影で活躍した篤姫に焦点を当てた作品で、ホームドラマ的な要素を強め、夫婦の日常、さらに篤姫が自分にとっての家族(大奥の女性達)を最後まで守り抜き、その中で一途に平和を願い続ける姿を描いています。

 幕末を描いた作品は、戦国時代のドラマほど視聴率はよくないのですが、「篤姫」は幕末ドラマとして最高の視聴率を獲得しています。

 なお主演の宮崎あおいは「義経」の滝沢秀明より若い、大河ドラマ史上最年少で主演を務めました(放送開始時22歳1ヶ月7日)。

 第48作は「天地人」です。

 2009年放映、主人公は直江兼続、主演俳優は妻夫木聡、原作者は火坂雅志、脚本は小松江里子、平均視聴率は21.2%(28位)です。

 戦国時代の武将上杉景勝に仕えた、家老「直江兼続」を描いています。ひたすら利のみを求める戦国時代に、「愛」を重んじ、「義」を貫き通した武将です。

 妻夫木聡は大河ドラマ初出演で主役を演じました。

 なおこの作品以後の大河ドラマは、2018年の「西郷どん」以外はすべて原作者のいないオリジナル脚本です。また「天地人」は平均視聴率が20%を超えた最後の大河ドラマとなりました。

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2023年2月 7日 (火)

大河ドラマシリーズー15 第43作~第45作(NO.1679)

 第43作は「新選組!」です。

 2004年放映、主人公は近藤勇、主演俳優は香取慎吾、原作はなしのオリジナル脚本、脚本は三谷幸喜、平均視聴率は17.4%(46位)です。

 その後何度も大河ドラマでオリジナル脚本を書く三谷幸喜の大河ドラマの初脚本です。

 新選組では一番人気のある土方歳三ではなく近藤勇が主人公で、新撰組誕生から近藤勇の死までを描いています。土方歳三が活躍した会津戦争や箱館戦争は描かれていません。

 また近藤勇が坂本龍馬や桂小五郎と江戸で会っていたり、粛清されたはずの隊士がそのまま登場したり、坂本龍馬暗殺の際に新選組が助けに入ったりなどと、史実と異なることをドラマにしています。「コメディ大河」と評する評論家もいました。私もばからしくなって途中で見るのをやめました。

 ただ登場人物一人一人が丁寧に描かれていたこともあって評価する人もいました。

 第44作は「義経」です。

 2005年放映、主人公は源義経、主演俳優は滝沢秀明、原作者は宮尾登美子、脚本は金子成人、平均視聴率は19.5%(36位)です。

 原作は「宮本本 平家物語」と「義経」で宮尾登美子の小説が大河ドラマとなるのは初めてです。

 物語は源義経を主人公とした家族の絆や親子の絆を中心に描かれていますが、平清盛とその妻時子を中心とした平家一族にも重点が置かれて進行します。

 女性の原作や女性のオリジナル脚本の大河ドラマは、歴史の英雄を描いても家族関係を重視した作品になっている感じです。

 主演の滝沢秀明は大河ドラマ4作目の「源義経」の主演であった尾上菊之助(現在の七代目尾上菊五郎)が持っていた大河ドラマ単独主演の最年少記録(放送開始時23歳)を更新しました(放送開始時22歳)。

 第45作は「功名が辻」です。

 2006年放映、主人公は山内一豊とその妻千代、主演俳優は一豊に上川隆也、千代に仲間由紀恵、原作者は司馬遼太郎、脚本は大森寿美男、平均視聴率は20.9%(33位)です。

 スペシャル大河ドラマの「坂の上の雲」を除くと、この作品が司馬遼太郎6作目で最後の大河ドラマです。

 物語は山内一豊とその妻千代の出世と夫婦愛のお話です。一豊は尾張をさすらい歩いていた一浪人、千代は両親を戦で亡くした少女、浪人が少女を助けたことで夫婦となり、共に手を携えて土佐20万石の領主となります。

 余談ですが戦国時代に話題となった山内家は、幕末にも登場し大河ドラマに出てきます。

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