2023年7月14日 (金)

読書の終活「街道をゆく」を14冊読み進む(NO.1725)

 令和5年7月14日、書棚の司馬遼太郎の著作「街道をゆく」全43冊のうち約3分の1に当たる14冊を読み終えました。

 1月13日に第1巻を読み始めたので、約半年間かけて14冊を読んだことになります。元気なころと比べると3倍の時間がかかったと感じています。

 読むのは夜寝る前と朝目覚めた後に寝床の中で読むのですが、すぐ疲れてしまい集中力と根気がなくなったのをつくづく自覚させられています。目もかすむようになてきました。

 残りの29冊を読み終わるにはあと1年はかかると覚悟しています。読んだのは次の街道です。

1.長州路
2.韓のくに紀行
3.陸奥のみち
4.洛北諸道
5.モンゴル紀行
6.沖縄・先島への道
7.大和・壺阪みち
8.種子島みち
9.信州佐久平みち
10.羽州街道・佐渡のみち
11.肥前の諸街道
12.十津川街道
13.壱岐・対馬の道
14.南伊予・西土佐の道

 「街道をゆく」は紀行文というより歴史をたどる文章です。

 街道をたどりながら、その街道やその地方の歴史が詳しく記述されています。時にはその場所からはなれ全く別の場所の歴史に筆が飛びます。いわゆる「司馬史観」にあふれた著作とです。

 旅の同行者は司馬夫人、挿絵の須田画伯、週刊朝日の編集部と思われるH氏、それに行く場所によって異なる案内人や関係者です。ほとんど土地のタクシーやマイクロバスを利用して回っています。

 小説の面白さはありませんが、大変勉強になる読み物となっています。

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2023年1月13日 (金)

読書の終活「韃靼疾風録」を読み終え「街道をゆく」へ(NO.1673)

 令和5年1月12日、書棚の司馬遼太郎の小説「韃靼疾風録」文庫本2冊を読み終えました。これで司馬遼太郎の18作品を読み終えたことになります。

 「韃靼疾風録」は司馬遼太郎の最後の小説です。これ以後は「街道をゆく」などノンフィクションを書き続けました。今年は司馬遼太郎生誕100周年になるので、最後の小説を読み終えたのは、何か因縁のようなものを感じています。

 この小説を読み始めたのは昨年の10月末です。途中他の小説1冊を読んだとはいえ、5百数十ページの文庫本2冊を読み終わるのに2か月半を要しました。読むスピードだけでなく、読み続ける気力が衰えました。

 「韃靼疾風録」は1997年に購入しており読むのは2回目です。中国の「清」が「明」に代わって王朝となる話ですが、形の上では平戸出身の武士「桂庄介」と女真族の女性「アビア」が主人公になっています。女真族のリーダー、ヌルハチ、ホンタイジ、ドルゴン3代の活躍が清を建国することになります。

 次は「街道をゆく」43冊です。文庫本36冊とハードカバー7冊です。

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 司馬遼太郎は週刊朝日に1971年1月から1996年3月まで、25年3か月、1147回にわたって「街道をゆく」を連載しました。そして「濃尾参州記」の連載の途中で亡くなりました。43冊目の本は未完に終わっています。

 私は今回が3度目の挑戦です。最初は、週刊朝日に連載されたのが単行本になると、順番を気にせず図書館で借りて読みました。2度目は1996年司馬さんがなくなったとき、43冊をまとめて購入し順番に読みました。37巻目以降がハードカバーなのはまだ文庫本になっていなかったためです。

 1996年の文庫本は字が小さく読みづらいのですが、頑張ってみるつもりです。43冊全部読めるかどうか、残された時間との勝負でしょう。

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2022年10月30日 (日)

読書の終活「城塞」を読み終え「韃靼疾風録」へ(NO.1648)

 令和4年10月25日、書棚の司馬遼太郎の小説「城塞」ハードカバー全3巻を読み終えました。これで司馬遼太郎の17作品を読み終えたことになります。

 読み始めたのが7月末でしたので、わずか3冊を読むのに3か月かかったことになります。本当に読書のスピードが落ちました。スピードが落ちただけでなく、本を読もうとする気力と読み始めてからの根気がなくなったのを実感しています。歳のせいとはいえ、悲しくなります。

 「城塞」は昭和47年に購入しており読むのは3回目です。「城塞」とは大阪城のことです。この物語りは関ケ原の戦いの後から始まり、大坂夏の陣で大阪城が炎上し豊臣家が滅亡するまでを描いています。

 徳川家康が何としてでも豊臣家を滅ぼそうとする「悪謀」と、淀殿や大野修理などの「無能さ」が浮き彫りにされています。秀頼は好青年として登場します。後藤又兵衛や真田幸村の活躍がありますが、家康の狸おやじぶりがテーマです。もしかして大阪生まれの司馬遼太郎遼太郎氏は家康が好きではなかったのではないしょうか。

 次は中国の清朝を起こした満州族のヌルハチにかかわる「韃靼疾風録」です。文庫版2冊で、司馬遼太郎最後の小説です。

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2022年7月27日 (水)

読書の終活「翔ぶが如く」を読み終え「城塞」へ(NO.1620)

 令和4年7月27日、書棚の司馬遼太郎の小説「翔ぶが如く」ハードカバー全7巻を読み終えました。これで司馬遼太郎の16作品を読み終えたことになります。

 この作品は司馬さんの小説の中で一番長い小説ですが、読み始めてから7か月と20日ばかりかかりました。途中で読んだ他の小説は3冊しかないので、いかに長くかかったかということです。前回にも書きましたが、本を読む気力と時間とスピードがなくなったことをつくづく感じました。私が本を読むのは夜と朝、寝床の中で読むことが多いのですが、すぐ眠くなってしまいます。老いのせいでしょう。

 「翔ぶが如く」は昭和50年から51年にかけて購入した第1刷です。読むのは今回で3回目になります。西郷隆盛が征韓論に敗れるところから、西南戦争で敗れ、さらに大久保利通が暗殺されるまでの物語です。

 幕末のさっそうとした西郷の活躍は出てきません。維新後の時代についていけない西郷の話ですが、それを全7巻の大作に書いたのはさすが司馬遼太郎といえるでしょう。書き終えるまで4年の歳月を費やしています。おそらく膨大な資料を読みつくしたのではないでしょうか。「竜馬が行く」のように胸躍らせて読む作品ではありませんが、歴史を学ばせられる大作でした。

 次は豊臣政権の最後の大阪城落城を描いた「城塞」です。ハードカバー3冊の長編で、「関が原」に続く作品です。昭和47年に購入しました。

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2021年12月 7日 (火)

読書の終活「関ケ原」を読み終え「翔ぶが如く」へ(NO.1542)

 令和3年12月5日、書棚の司馬遼太郎の小説「関ケ原」文庫本3冊を読み終えました。これで司馬遼太郎の15作品を読み終えたことになります。

 上巻を読み始めたのが9月15日ですから、3巻を読み終えるまでに2か月と20日かかりました。途中でほかの本を読んだのは2冊だけでしたから、これだけ時間がかかったのは本を読む時間を取らなかったということです。自分でも本を読む根気がなくなったのを自覚しています。本を読むのは朝目が覚めてから床を離れるまでが一番多いのですが、本を読まないでうとうとしていることが多くなりました。昨年は12月5日までに51冊読んでいますが、今年は37冊です。歳のせいだと感じています。

 「関ケ原」は平成9年の購入した本です。今回で3回読むことになりました。

 「関ケ原」の主人公はご存じのように徳川家康と石田三成です。徳川家康の狡猾さと作戦のうまさ、石田三成の人気のなさと判断のまずさが全編にわたって描かれていました。

 司馬さんの作品には、「竜馬が行く」の坂本竜馬や「坂の上の雲」の秋山兄弟のように主人公が好きで愛情を注いで描いたものと、「関ケ原」の2人の主人公のように好きでもないので冷静に描いた作品があります。「関ケ原」で司馬さんが好きだったのは、石田三成の家臣の島左近だった感じです。それにしてもこの作品は数えきれないほどの人物が登場します。そしてその人物が生き生きと描かれています。司馬さんの綿密な調査と博識が十分にうかがわれれます。面白いというより興味深い小説でした。

 つぎは司馬遼太郎最長の小説「翔ぶが如く」ハードカバー7冊です。昭和51年に購入しています。主人公は西郷隆盛、脇役が大久保利通です。NHKの大河ドラマでは西田敏行と鹿賀丈史が演じました。

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2021年9月15日 (水)

読書の終活「峠」を読み終え「関ケ原」へ(NO.1510)

 令和3年9月14日、書棚の司馬遼太郎の小説「峠」文庫本2冊を読み終えました。これで司馬遼太郎の14作品を読み終えたことになります。

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 読み始めたのは5月5日ですが、2冊を読み終えるまでに4か月以上かかったのは、途中で12冊の本を読んだためです。図書館で予約した本や妻に勧められた本を先に読みました。

 「峠」は平成9年に購入しています。読むのは今回で3度目です。「峠」の主人公は維新史上まれにみる壮烈な北越戦争を起こし戦場で散った河井継之助です。

 河井継之助は一藩士から実力によって家老に抜擢されます。開明論者であり、封建制度の崩壊を見通しながら、長岡藩を率いて官軍とあまり意味のない勝てない戦いをやることになります。その結果多くの藩士や農民を死に追いやる結果になります。

 「峠」では主人公のそのようはマイナス面にはあまり触れず、武士道に殉じた生涯を描いています。読み終わって司馬氏の他の小説のような爽快感はありませんでした。

 次に選んだのは「関ケ原」です。誰でも知っている関ケ原の戦いがどう描かれているか楽しみです。2度読んだはずですが、内容は忘れています。主人公は石田三成、司馬氏の「新史太閤記」の後を受け、「城塞」に続く3部作の真ん中です。

 平成9年から10年に購入した文庫本3冊です。

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2021年5月 5日 (水)

読書の終活「菜の花の沖」を読み終え「峠」へ(NO.1463)

 令和3年5月6日書棚の司馬遼太郎の小説「菜の花の沖」文庫本6冊を読み終えました。これで司馬遼太郎の13作品を読み終えました。

 読み始めたのは1月1日でしたが、6巻目を読み終わるまでに今までかかったのは、途中でほかの本を11冊読んだためです。図書館で予約していたり、人にすすめられたりした本が入ってきたため、そちらを優先しました。

 「菜の花の沖」の主人公は江戸時代後期に活躍した、船頭であり、廻船問屋でもあった高田屋嘉兵衛です。

 嘉兵衛は淡路島の貧しい家に生まれ、少年時代厳しい差別に苦しめながら、兵庫に出て船頭になり、北前船で成功をおさめます。函館港を開き、国後、択捉で航路を開いたり、アイヌと仲良くなって漁業を発展させ、それを兵庫や大阪に運びました。幕府のためにも、商売を弟に任せて尽くします。

 物語の後半は一連の事件が主題です。ロシアのフヴォストフの日本に対する理不尽な暴虐、日本によるゴローニン艦長の逮捕幽閉、ロシアによる高田屋嘉兵衛の拉致とロシアでのリコルド艦長との友好的な生活、最後にゴローニンと嘉兵衛の交換などが描かれます。

 小説では北前船に始まって、松前藩による強圧的な蝦夷支配、嘉兵衛兄弟などの蝦夷地の開拓や漁業や物資の輸送、ロシアのシベリア、カムチャッカ、樺太、千島列島への進出の背景などがいろいろな資料を基に述べられています。司馬氏の綿密な調査と資料の読み込みと分析がうかがえました。

 文庫本6冊にもなったのは、時代背景の描写にかなりの部分が占められていたためです。司馬文学の最高傑作のひとつと言えると思います。処分するのは惜しい気がしますが、終活です、仕方ありません。

 次に選んだのは「峠」文庫本2冊です。平成9年に購入しています。越後長岡藩の河井継之助が主人公です。維新史上最も壮烈な北越戦争に散った英雄の物語です。

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2021年1月 3日 (日)

読書の終活「燃えよ剣」を読み終え「菜の花の沖」へ(NO.1421)

 令和2年12月31日書棚の司馬遼太郎の小説「燃えよ剣」文庫本2冊を読み終えました。これで司馬遼太郎の小説の12作品を読み終えました。

 「燃えよ剣」の主人公は幕末の新選組の副長土方歳三です。新選組の局長は近藤勇ですが、新選組の組織を作り上げ実際に仕切ったのは土方歳三でした。

 近藤勇は戊辰戦争に敗れ北に向かって逃走中に流山で捕らえられ斬首されますが、土方歳三はそのあとも戦い続け、函館の五稜郭で討ち死にします。

 この物語は土方歳三が江戸の郊外の日野から近藤とともに京都に上り新選組を作って活躍するところが中心ですが、その後幕府の没落につれて、京都、江戸、東北、北海道と戦い続けるところも詳細に描いています。

 司馬遼太郎の小説にはストーリーテラーとして面白く描くものと歴史の舞台や背景、主人公の性格や心理などを掘り下げて描くものがありますが、「燃えよ剣」は前者に属するものです。楽しく読むことができました。

 次に選んだのは「菜の花の沖」です。主人公は江戸時代後期に淡路島の貧しい家に生まれ、廻船問屋として成功し、蝦夷、千島の海で活躍、ロシアとの争いに巻き込まれる快男児の物語です。

 文庫本6冊で1996年に購入しています。令和3年1月1日から読み始めました。

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2020年12月 5日 (土)

読書の終活「播磨灘物語」を読み終え「燃えよ剣」へ(NO.1408)

 令和2年12月4日書棚の司馬遼太郎の小説「播磨灘物語」ハードカバーの3冊を読み終えました。これで司馬遼太郎の11作品を読み終えました。

 昭和50年に出版された第一刷なので、細かい字で上下2段に印刷されており高齢者には読みにくい本でした。

 「播磨灘物語」の主人公は黒田官兵衛です。羽柴秀吉の軍師となった人物です。周りには戦国時代おなじみの織田信長、羽柴秀吉のほかに、官兵衛にかかわる人物が続々登場します。物語は黒田家の成り立ちから、羽柴秀吉が天下人となるまでの官兵衛の活躍までです。徳川家康の出番はほとんどありません。

 この物語で司馬遼太郎が詳細に描いたのは、登場人物の性格やその時なぜその行動をとったかという心理状態などです。時代小説に出てくる華々しい活躍の場面などはあまり描かれていません。戦いについても結果よりもプロセスに重点を置いて書かれています。読みごたえのある大変興味深い作品でした。

 次は幕末の新選組の物語「燃えよ剣」です。主人公は土方歳三です。

 新選組は近藤勇が局長ですが、小説やドラマになるのは土方歳三が断然多いです。近藤は途中で死にますが、最後まで戦ったのは土方歳三だったということと、人物に魅力が感じられたからかもしれません。

 平成11年に出版された文庫本です。「燃えよ剣」は昭和37年に発表されており、同時期には「竜馬が行く」が新聞連載中でした。

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2020年10月27日 (火)

読書の終活「義経」を読み終え「播磨灘物語」へ(NO.1392)

 令和2年10月25日書棚の司馬遼太郎の小説「義経」文庫本2冊を読み終えました。これで司馬遼太郎10作品を読みました。

 「義経」の主人公は源義経です。対抗する人物は平家ではなく源頼朝です。義経はご存じの通り国民的ヒーローで、判官びいきと言われるほど歴史的に人気の高い人物です。ジンギスカンは義経だったなどという伝説まで生まれています。

 ところが司馬遼太郎の「義経」はそれを期待して読むと当てが外れます。戦には天才的な力を発揮しますが、世の中を知らない子供のような人物として描かれています。この小説は義経以外の源頼朝、後白河法皇、梶原景時、などは底意地の悪い人物として登場します。司馬遼太郎はこれらの人物を大変個性的に強調して描いています。また義経といえば弁慶が大きな役目を果たした感じですが、この小説では弁慶にはあまり筆を割いてはいません。

 大河ドラマになった村上元三の「源義経」とは大きな違いを感じました。

 次は戦国時代に戻り「播磨灘物語」を読むことにしました。昭和50年(1975年)年に発売されたハードカバー3巻です。主人公は秀吉の軍師の黒田官兵衛です。

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