2020年9月13日 (日)

読書の終活「北斗の人」を読み終え「世に棲む日々」へ(NO.1380)

 令和2年9月13日書棚の司馬遼太郎の小説「北斗の人」の文庫本1冊を読み終えました。これで8作品となりました。

 「北斗の人」は幕末の剣豪千葉周作を描いた作品です。千葉周作が父親に連れられて松戸に来て浅利又七郎の道場に入門してめきめきと頭角を現し、日本一の剣豪となるまでを描いています。北辰一刀流の千葉道場を神田お玉ヶ池に開くまでの千葉周作の前半生の物語です。楽しみながら読める痛快な出世物語です。

 読んでいて司馬遼太郎氏は千葉周作が大好きだった感じがうかがわれます。解説の尾崎秀樹氏は司馬氏を「歴史上の人物と友達付き合いの出来る作者」と評していました。

 この1冊を読み終わるのに1か月以上かかったのは、図書館で予約した佐伯泰英の小説4冊と百田尚樹の小説2冊を先に読む必要があったからです。

 次は「世に棲む日々」に決めました。昭和46年(1971年)5月に出版されたハードカバーの3冊です。主人公は幕末の英傑の吉田松陰と高杉晋作です。

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2020年7月17日 (金)

読書の終活「項羽と劉邦」を読み終え「功名が辻」へ(NO.1365)

 令和2年7月17日、司馬遼太郎の小説の「項羽と劉邦」の文庫本3巻を読み終えました。

 読書の就活として手元にある司馬遼太郎の6作品目となります。読む作品の順序は自分で好きに選んでいます。

 項羽と劉邦はご存じ中国の英雄です。始皇帝が初めて中国の統一王朝として「秦」を起こしましたが、2代で滅んでしまいました。項羽と劉邦はそのあとの統一国家の覇権を争い、劉邦が生き延びて「漢」を建国しました。その2人の争いを描いた長編小説です。

 強い楚の項羽と弱い漢の劉邦が対照的に描かれています。「自尊心」のかたまりの項羽は何度も劉邦を破ります。一方「虚心」の劉邦は幾度も敗戦を重ねますが、最後に項羽に勝ち「漢」の統一国家を打ち立てるのです。

 「漢」は中国の基礎となった王朝です。今でも「漢民族」「漢字」「漢籍」など、「漢」が中国を代表する文字となっています。建国は紀元前202年で、日本は弥生文化が生まれるころで国とは言えない時代です。

 司馬氏は「史記」や「漢書」などの歴史書によりながら、想像を交えてこの作品を書いたと述べています。

 5月22日に読み初めてずいぶん時間がかかったのは、途中6冊ほどほかの本を読んだためです。

 次の読書の終活は、司馬遼太郎の小説7作品目として、戦国時代の山内一豊を描いた「功名が辻」全4冊にしました。また日本の戦国時代に戻ります。平成9年に出版された文庫本です。

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2020年5月 2日 (土)

読書の終活「新史太閤記」を読み終え「空海の風景」へ(NO.1339)

 令和2年5月1日、読書の終活として司馬遼太郎の小説の4作品目の「新史太閤記」を読み終えました。その前に「国盗り物語」を読んだのでその続き物を読んだ感じとなりました。

 主人公はもちろん豊臣秀吉です。小説は百姓の子で「猿」と呼ばれた木下藤吉郎の時代から、織田信長の家来となり、出世を重ねて天下を取る直前までを描いています。徳川家康をあの手この手で臣下の礼を取らせたところで終わっています。九州平定や小田原攻めまでは書かれていません。

 秀吉の秀吉らしさの真価が発揮される好ましい時代が描かれています。司馬遼太郎はこの時代の秀吉が大好きだったように思われます。私も天下を取るまでの秀吉は大好きです。

 ところが天下を取って以後の秀吉は別人になってしまいました。秀頼かわいさのあまり秀次一族を惨殺しました。キリスト教徒や宣教師を処刑したり、どの大名も嫌った朝鮮征伐を起こしたりしました。徳川に天下を取られたのは当然でしょう。

 司馬遼太郎は「新史太閤記」の後、「関ケ原」「城塞」で好ましくない時代の秀吉と徳川家康の天下取りまでを描いています。読書の終活の5作目は、流れからすれば「関ケ原」になるのですが、次は気分を変えて「空海の風景」上下2巻を読むことにしました。

 司馬作品は戦国時代と幕末に集中していますが、それ以外にもいくつか名著を残しています。「空海の風景」はその1つで、昭和50年(1975年)に初版が出ています。45年前です。私は昭和51年に3版を購入しました。

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 空海は讃岐(香川県)生まれで、弘法大師ともいわれ、四国八十八か所でも知られています。愛媛県生まれの私は子供のころからなじみの深いお坊さんでした。これも読むのが楽しみです。

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2020年4月16日 (木)

読書の終活「国盗り物語」を終え「新史太閤記」へ(NO.1335)

 令和2年4月16日司馬遼太郎の「国盗り物語」文庫本全4冊を読み終わりました。書棚にある司馬遼太郎の作品の3作目です。平成8年12月から平成9年3月にかけて購入しています。

 「国盗り物語」は1,2冊目が斎藤道三編、3,4冊が織田信長編となっていますが、実は4冊にかけて一番長く登場するのが明智光秀です。光秀がもうひとりの主人公と言ってもおかしくありません。

 今NHKの大河ドラマで光秀を主人公にした「麒麟がくる」をやっていますが、「国盗り物語」と比較しながら見ると面白いです。ちょっと横道にそれますが、テレビの明智光秀役の長谷川博己と斎藤道三役の本木雅弘はイメージにぴったり合っていますが、織田信長役の染谷将太は明らかにミスキャストと思います。信長はちょっと残酷なイメージの天才的な切れ者ですが、染谷は童顔でおっとりした感じを受けます。とても歴史を変えた人物には見えません。閑話休題。

 戦国時代は様々な英雄が登場します。司馬遼太郎はその英雄を主人公にした小説を数多く書いています。それらの作品の中でも「国盗り物語」は極めて優れたものの1つと言えます。

 4作目は何を読もうか迷いました。また幕末ものか、それとも幕末や戦国時代と違うものかと考えたのですが、「国盗り物語」と重なる秀吉の「新史太閤記」上下2冊に決めました。昭和46年7月と12月に出されたハードカバーの本です。

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 天下取りまでの秀吉は戦国時代でナンバーワンの魅力ある人物です。楽しみです。

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2020年3月19日 (木)

読書の終活「坂の上の雲」を終え「国盗り物語」へ

 令和2年3月18日司馬遼太郎の小説「坂の上の雲」全六冊を読み終わりました。小説本の終活で唯一書棚に残っている司馬遼太郎の作品の2作目です。

 1月31日に読み始めて48日間かかりました。昭和44年(1969年)から47年(1972年)に出されたハードカバーの本で、第3巻からは初版本を出版を待ちかねて買って読みました。今と違って小さい字でぎっしり詰まっており、全部で1858ページになります。

 今回で4回目ですが、かなり読みごたえがありました。「坂の上の雲」は司馬氏の最大で最高の作品です。第6巻の「あとがき」で司馬氏は次のように書いています。

 「この作品は、執筆時間が4年と3か月かかった。書き終えた日の数日前に私は満49歳になった。執筆期間以前の準備期間が5か年ほどあったから、私の40代はこの作品の世界を調べたり書いたりすることで消えてしまったといってよい」

 司馬氏は作品の中でこれは小説ではないという意味のことを書いています。読んでみて感じたのは、小説を超えてドキュメンタリーの世界でもあり、「近代史」「文明史」「戦記」「伝記」「文化人類学」の要素を兼ね備えているということでした。

 司馬遼太郎氏は平成8年2月12日に亡くなりましたが、その死を悼んで出された文芸春秋臨時増刊「司馬遼太郎の世界」に興味深い記事が出ていました。

経営者が好きな作品ベストスリー

1 坂の上の雲

2 竜馬が行く

3 翔が如く

一般社員が好きな作品ベストスリー

1 竜馬が行く

2 坂の上の雲

3 国盗り物語

 これで「坂の上の雲」6冊は処分することになりますが、ちょっと捨てがたい気もいたします。

 さて3作目は 「国盗り物語」全4冊です。これは文庫本です。

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 いまNHKの大河ドラマで「麒麟がくる」をやっていますが、それに登場する斎藤道三と織田信長が主人公です。

 3月18日から読み始めました。3回目ですが楽しみです。

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2019年2月12日 (火)

ノーベル賞作家カズオ・イシグロの作品を読む(NO.1207)

 平成31年2月12日ノーベル賞作家カズオ・イシグロの「日の名残り」を読みました。カズオ・イシグロは一昨年の2017年10月にノーベル文学賞を受賞した作家です。

 なんで今頃読んだかという理由ですが、受賞を聞いてから数日後に我孫子図書館に予約したところ、既に30数人の予約が入っていてやっと今月の7日に手に入ったのです。1年と3か月もかかりました。もっと早く読めると思っていたのですが、こんなに待たされるとは予想外でした。

 終活で本の在庫を始末して以後、私は本は買わなくなりました。時刻表やプロ野球選手名鑑など手元に置いておきたい本以外は、すべて我孫子図書館で借りています。

 佐伯泰英の新刊の小説なども30数人待ちになるのですが、待つのは数か月です。調べてみたら「日の名残り」は在庫が1冊しかなかったからです。佐伯泰英の本は図書館では数冊購入しています。それと「日の名残り」は360ページほどの文庫本ですが、会話が少なく1ページに活字がぎっしり詰まっていて読むのに時間がかかる本でした。

 前置きが長くなってしまいました。

 さて「日の名残り」は期待通りのいかにもイギリスの本という感じでした。

 カズオ・イシグロ氏は1954年長崎で海洋学者の家庭に生まれ、5歳の時両親とともにイギリスにわたり、すべての学校教育をイギリスで受け、国籍もイギリスに移し、イギリス女性と結婚して、日本語もほとんど解さない作家です。著作は当然英語で書かれています。

 大邸宅の執事が自動車で旅をしながら1人称で過去の出来事を語るという形で書かれています。最近小説に面白さを求めて読む私にとっては期待はずれでしたが、ノーベル賞作家にそんな期待をしては失礼なのでしょう。重厚な内容で読み応えのある本だったと言えます。

 カズオ・イシグロの本は「日の名残り」と同時に、「わたしを離さないで」という本も予約して、こちらは昨年3月に読むことができました。

 作風は全く違っていて、臓器の提供者と介護人、クローン人間が登場する内容でした。その本の解説に、「いわばカズオ・イシグロ自身の頭の中で醸造された奇怪な妄想をとことん膨らませ、持ち前の緻密な書きぶりを駆使して強引かつ精緻に書ききったような迫力がある」とありました。

 「日の名残り」はアンソニー・ホプキンス主演で映画化されました。「わたしを離さないで」はイギリスで映画化され、日本でも綾瀬はるか主演でテレビドラマ化され、蜷川幸雄演出で舞台化もされています。

 カズオ・イシグロ氏の本を読んで、ノーベル賞作家というものがほんの少し見えてきた感じでした。

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2019年1月 5日 (土)

藤枝梅安シリーズを読み終わった(NO.1198)

 平成30年12月31日、池波正太郎の「仕掛人・藤枝梅安」シリーズ7冊を読み終わりました。

 これで昨年9月24日に鬼平犯科帳シリーズ24冊、12月9日に剣客商売シリーズ19冊に続いての池波正太郎の3シリーズを読み終わったことになります。

 藤枝梅安シリーズは鍼医者藤枝梅安が房楊枝職人彦次郎とともに、金で殺しを請け負うという物語です。4冊目からは剣客の小杉十五郎が暗殺に加わります。

 殺す相手は、闇の依頼人から頼まれて、この世に生かしておいては害になるばかりという悪人です。

 7冊は短編が16話、長編が4話からなっています。

 最後の長編「梅安冬時雨」は池波正太郎が連載中に亡くなったため中断、絶筆となりました。これは鬼平犯科帳の最後の話と同じです。作家としては若いともいえる67歳の死でした。

 梅安シリーズはフジテレビで3回、小林桂樹、渡辺謙、岸谷五朗が藤枝梅安となって別のシリーズとして放映されました。

 映画では萬屋錦之介が梅安を演じています。

 私の池波正太郎の作品を追っかける旅はまだまだ続きます。今は「真田太平記」を読んでいます。

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2018年9月24日 (月)

鬼平犯科帳全24冊を読む(NO.1170)

 平成30年9月23日池波正太郎の鬼平犯科帳の文庫本全24冊を読み終わりました。

 鬼平犯科帳は何十年か前に時々読んでいました。またテレビドラマも時々見ていました。今では中村吉右衛門の当たり役として有名ですが、最初は吉右衛門の父親が松本幸四郎を名乗っていたとき鬼平を演じました。

 鬼平を全巻読んでみようと思ったのは、たまたま図書館で目に留まった鬼平の第1冊を読み、その直後に浅草にある池波正太郎記念文庫に行ったのがきっかけです。

 最近は佐伯泰英の小説を発行を待って読んでいましたが、図書館で借りるため、発行直後に予約しても何十人か待ちでした。鬼平は古いためすぐに借りられます。5月12日から9月23日までに読み終えることができました。

 24冊に短編が130話、長編が5話詰まっていました。最後の長編「誘拐」は作者死亡のため未完でした。池波正太郎は亡くなる直前まで鬼平犯科帳を書き続けていたのです。

 池波正太郎の作品は全部読んだわけではありませんが、鬼平から感じたのは会話が生き生きとしており、ドラマ化するのに脚本家が会話の部分はそのまま使えたのではないかと思います。

 これは池波正太郎の生い立ちにあるのではないかと思います。浅草に生まれ、働き者の母と職人かたぎで江戸っ子気質の祖父に育てられました。小学校を卒業後、株式仲買店に奉公したり、旋盤機械工になったり、海軍に徴兵されたり、戦後東京都職員になったりしています。

 作家としてのスタートは劇作家、脚本家としてでした。その後小説家になったのです。会話が生き生きしているのは、その多彩な人生経験と劇作家として台詞を書き続けたことにあるように思います。世界中で3億冊を売り上げ、「ゲームの達人」「真夜中は別の顔」などで有名なアメリカの小説家、シドニイ・シェルダンが脚本家としてスタートしたのを思い出しました。

 鬼平が終わったので、池波正太郎の3大シリーズの2つ目、「剣客商売」を読み始めています。

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2017年10月24日 (火)

作家今井絵美子さんの死を悼む(NO.1066)

 平成29年10月23日、衆議院議員選挙の結果を大きく報じた読売新聞の死亡欄に作家今井絵美子さんの死が小さく報じられていました。72歳、乳がんでの死です。

 今井さんは私の大好きな作家の1人です。昨年妻が買っていた今井さんの数冊の本を読んで病み付きになり、我孫子図書館にある今井さんの著作を2年間でほとんど読みました。

 今井さんの小説は江戸時代の庶民を主人公とした人情味あふれる物語です。主人公はほとんどしっかり者の女性です。

 読書の記録を調べてみると47冊読んでいました。

・立場茶屋おりきシリーズ 25冊

・便り屋お葉日月抄シリーズ 9冊

・人情おかんケ茶屋シリーズ 6冊

・照降町自身番書役日誌シリーズ 5冊

・綺良の桜

・いつもおまえが傍にいた

 「いつもおまえが傍にいた」は70歳で書いた自叙伝です。壮絶な人生だったことがよくわかります。

 広島県福山市生まれ、成城大学を卒業し、画廊経営やテレビプロデューサー、夫の自殺など経験します。10歳の息子を連れて上京し作家に挑戦しますがうまくいかず福山に戻って再挑戦、55歳でやっと作家デビューを果たします。

 そして15年の間に50冊の小説を書きました。

 自叙伝には2015年に乳がんの手術を受け、ステージ4、余命3年を宣告されたことが書かれています。抗がん剤での治療を断りその後も書きまくっているとありました。そしてこの10月8日に亡くなったのです。

 猫が好きで自叙伝の「おまえ」は猫のことです。もっと書いてほしい作家でしたが本当に残念です。合掌。

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2017年9月21日 (木)

宮尾登美子の自伝小説を読む(NO.1056)

 平成29年8月~9月、宮尾登美子の自伝小説「櫂」「春燈」「朱夏」「仁淀川」とエッセイ「もう一つの出会い」を読みました。

 きっかけは妻から勧められた「蔵」を読んだことでした。面白かったため、私の読書癖が顔をだし、宮尾登美子の代表作を読みつくそうと考えたためです。宮尾登美子の小説は以前「序の舞」と「きのね」を読んだだけでした。

 「櫂」は太宰治賞をもらった出世作で、自分の母親の視点から描いています。

 小説なので登場人物の名前は本名ではありません。しかしWikipediaに出ている宮尾登美子の生い立ちと比べても、かなり実際の生い立ちに近いことがわかりました。

 「櫂」では「芸妓娼妓紹介業」を営む父親とその職業に悩む母親、父親が女義太夫に産ませた子供を引き取りその子供を自分の子供同然にかわいがる母親の苦労が克明に描かれています。

 その子供は小説では綾子となっていますが、綾子が宮尾登美子なのです。父親と母親は離婚、綾子が女学校を受験するため、母親は涙を呑んで綾子を父親の家に送っていくところで終わります。

 そのあとの3冊は綾子つまり宮尾登美子が主人公です。

 「春燈」は綾子が父親と父親の職業に反発しながら女学校を卒業し、家を出て農家の息子で教師の男性と結婚するまでの綾子の心の葛藤を描いています。

 「朱夏」は敗戦の前年に夫のいる満洲へ綾子が乳飲み子の娘をつれて出かけるところから始まります。満州での生活、間もなく敗戦、困窮をきわめながら日本に引き上げてくるまでの苦闘を詳細に描いています。

 行ってから帰るまでのわずか530日間ほどの記録ですが、綾子の苦しさが読む人にストレートに伝わってきます。

 先日なかにし礼氏の自伝インタビューをNHKBS放送で見ましたが、氏も満州牡丹江で6歳の時に敗戦、牡丹江から葫蘆島まで死と隣り合わせの逃避行を経験しました。父親をその途中で失っています。

 葫蘆島から九州に戻ってきたのですが、その時の体験が、のちのヒット曲の作詞に活かされたと言っていました。綾子一家もやはり葫蘆島から日本に帰ってきました。

 「仁淀川」は夫の実家の高知の農家に戻ってきてからの生活が描かれます。農家でのなじめない生活、子供の育児、母の死と父の死、自分の肺結核、そして家を出る決意などです。

 4冊を合わせると文庫本2300ページを超える大作です。これほどの大作の自伝小説を書いた作家は知りません。各ページともびっしりと文字で埋められています。会話の文章はほとんどありません。

 「もう一つの出会い」は農家の夫と離婚したあと、新しい夫と結婚してからの生活や作家として歩んでいく生活がうかがわれるエッセイでした。

 宮尾登美子という作家がどのような背景から生まれたかがよくわかりました。そして女性を主人公とした多くの名作がなぜ生まれたかもわかったような気がしました。

 これからはまだ読んでいない宮尾登美子の小説を読みたいと思っています。

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