2024年5月12日 (日)
2024年3月14日 (木)
民間ロケット「カイロス」打ち上げ失敗(NO.1794)
2024年3月13日、宇宙新興企業「スペースワン」が小型ロケット「カイロス」を和歌山県串本町の「スペースポート紀伊」から打ち上げました。ところが5秒後に爆発して打ち上げは失敗に終わりました。
何らかの異常を検知し自動的に機体を爆破するシステムが作動したようです。素人判断ですが、そのシステムが誤作動を起こしたということも考えられます。
カイロスは小型衛星1基を搭載しており、軌道投入に成功すれば民間企業が開発したロッケトとして日本初となるとなる予定でした。
専門家は「ロケット開発に失敗はつきもので、めげることなく開発を進めるべきだ」と言っています。「スペースワン」の豊田社長は記者会見で「結果を前向きにとらえて次の挑戦に臨みたい」と述べています。
ロケット開発は技術が成熟するまでは打ち上げ失敗が続くケースが多いようです。世界の宇宙ビジネスを席巻するアメリカのスペースXも失敗を繰り返して成長したとのことです。
次の打ち上げに期待しましょう。
2024年3月 3日 (日)
あの時あの場所この1枚-12 アラスカのこの1枚はオーロラでなく氷河の壁(NO.1791)
16年前の2008年の9月初旬から中旬にかけてツアーでアラスカに行きました。目的は妻が以前からあこがれていたオーロラを見るためでした。
アラスカには通常は直行便はありませんが、旅行会社各社がツアーのためにJALの直行便を乗り合いでチャーターしたようです。乗り継ぎなら10数時間かかるところ、往復とも7時間前後でした。行きはフェイバンクスまで、帰りはアンカレジからでした。
オーロラはフェアバンクスの東約100キロのチェナ温泉で3泊して3回見るチャンスがありました。私たちは運がよかったのか、天候に恵まれて3夜とも見ることができました。
特に2日目のオーロラは素晴らしく、頭上に青や緑や黄色の光のカーテンが次々と現れて移動して消えていく様子に時間と寒さを忘れていました。
残念だったのは、携帯用のデジカメしかもっていなかったため、オーロラの写真を撮ることはできませんでした。オーロラの写真を撮るためにはそれなりのカメラを持参し、しっかりと準備をすることが必要です。
あとでツアーコンダクターは全員にオーロラの写真を1枚ずつ配ってくれました。写真を撮れない人が多いことをわかっていたようです。
ツアーの5日目にウイッテアの港からクルーズ船に乗ってサプライズ氷河見物に向かいました。片道時間半かけてサプライズ氷河に到着、静かな海に大きな青い氷の壁がそそり立っていました。船の周りには大小の氷の塊が漂っていました。
船を止めて20分以上氷河が崩れるのを待ちました。3回ほど氷河が崩れましたが、テレビで見るほど大きなダイナミックな崩れ方ではありませんでした。
その時の写真がアラスカのこの1枚です。
2024年2月18日 (日)
日本のロケットH3打ち上げ成功(NO.1786)
2024年2月17日、日本の新しい大型ロケット「H3」2号機が種子島宇宙センターから打ち上げられ、搭載した人工衛星を無事分離し打ち上げに成功しました。
昨年2月17日、「H3」1号機がメインエンジン着火後、両脇にある補助ロケットに信号が送られず打ち上げ中止となりました。
そして3月7日、その1号機が打ち上げられましたが、今度は第2段エンジンに着火できず、約14分後に指令破壊され打ち上げは失敗に終わりました。
今回の成功は3度目の正直になりました。
残念だったのは、1号機に搭載された地球観測衛星「だいち」は搭載されておらず、2号機は失敗のリスクを恐れて「だいち」の代わりに「ダミー衛星」が搭載されていました。衛星は分離後は軌道には載せず、ロケットの機体とともに落下させました。
なお民間企業が開発した2基の超小型衛星も搭載され無事分離に成功しました。
読売新聞には「今回の成功を受け、政府やJAXAなどは今後H3を安定的に打ち上げる技術の獲得を目指す。H3の打ち上げ価格をH2Aの約100億円から半減させ、新興企業が台頭するロケット打ち上げ市場での国際競争力を高めたい考えだ」とありました。
やっと日本も土俵に上がれた感じです。今後のJAXAや政府や民間企業の活躍を期待しましょう。
2024年1月21日 (日)
日本の月探査機が月面着陸に成功した(NO.1777)
2023年1月20日、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の月探査機「SLIM」が日本の無人探査機として初めて月面着陸に成功しました。旧ソ連、アメリカ、中国、インドに次いで5か国目となる快挙です。
SLIMは世界で最も精密な誤差100メートル以内の「ピンポイント着陸」に挑戦しました。成否はデータ解析を経て約1か月に明らかになります。
ただ残念なことに着地の段階で太陽電池が太陽の方向に向かなくなり機能しなくなりました。太陽の向きが変わって太陽電池が復旧する可能性もありますが、発電ができないと予定していた岩石の組成の分析ができません。
JAXA宇宙科学研究所の国中所長は記者会見で「ぎりぎり合格の60点とさせていただきたい」と話していました。
今、月面開発は各国の競争の場になっています。鉱物資源や水を求めてしのぎを削っていると言われています。地球上ではいろいろな紛争が起こっていますが、紛争を月に持ち込まないようにしてほしいものです。
2023年3月 8日 (水)
「H3」ロケット1号機打ち上げは失敗に終わった(NO.1687)
2023年3月7日種子島宇宙センターから打ち上げられた、日本の新たな主力ロケット「H3」1号機は第2段エンジンに着火できず、約14分後に指令破壊されました。
「H3」1号機打ち上げは2月17日に打ち上げ直前に中止されました。その時はメインエンジン着火後、両脇にある補助ロケットに信号が送られず着火できませんでした。
その後不具合を調整して再度打ち上げに挑戦したのですが失敗に終わりました。
「H3」は現在の主力ロケット「H2A」の後継機で、JAXAと三菱重工が2014年から約2060億円をかけて共同開発してきました。三菱重工は約1兆円をかけて開発に取り組んできたジェット旅客機「三菱スペースジェット」もうまくいかず撤退を決めたばかりです。
日本は小惑星探査機「はやぶさ」では世界初となる成功を収めました。ところが主力ロケットでは世界に後れを取っていました。「H3」でその遅れを取り戻し、ロケットビジネスに割って入ろうとしたのですが、この失敗で信頼を失った感じです。
ただ「失敗は成功のもと」ですので、原因を早く解明し再挑戦をしてほしいと願っています。
2023年2月18日 (土)
日本のH3ロケットの打ち上げが直前に中止された(NO.1683)
2023年2月17日鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられる予定だった日本の新しいロケット「H3」1号機が、2段ロケットの第1段のメインエンジンに着火後、両脇にある補助ロケットに信号が送られず着火せず打ち上げ中止となりました。
JAXAは打ち上げ失敗とは言っていません。JAXAは機体を組み立て棟に戻し原因究明を行ってできるだけ早く打ち上げを目指す方針です。
H3は主力ロケット「H2A」の後継機種として、JAXAと三菱重工が2014年から約2060億円をかけて開発してきました。国産の大型ロケットの更新は22年ぶりとなります。H3の能力はH2Aの1.3倍、逆に打ち上げ費用は半分の約50億円となっています。
H3の開発については数日前にNHKのBS放送で1時間の番組を放送しており、それを見て17日の打ち上げを楽しみにしていました。H3は当初は2020年中に打ち上げられる予定でしたが、メインエンジンの「LE-9」にひび割れが見つかったり、異常振動が起こったりして2度打ち上げが延期になりました。番組ではそのトラブルを苦心の末解決し、最終テストとなる25秒間の燃焼テストに成功して、開発責任者の岡田匡史プロジェクトマネージャーほか関係者が抱き合って喜び、あとは打ち上げを待つところで終わっていました。
まさか本番で打ち上げが中止になるとは思ってもいませんでした。今度はぜひ打ち上げが成功するよう願っています。
2020年12月 7日 (月)
おかえり はやぶさ2(NO.1409)
令和2年12月6日午前3時「はやぶさ2」から分離されたカプセルがオーストラリアの砂漠に戻ってきました。カプセルは直径約40センチ、重さ16キロで、地球の大気圏に突入すると、明るく輝く火球となりました。
その後パラシュートを開いて着地したのです。カプセルは8日に日本に到着します。小惑星リュウグウから持ち帰った石や砂が入っていると思われます。約46億年前の太陽系誕生当時の情報が残っているとみられ、JAXAは国内外の研究機関とともに太陽系の成り立ちや生命誕生の秘密に迫ります。
はやぶさ2は2014年12月3日鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられました。
そして6年かけて往復52億キロにも及ぶ旅を終えて戻ってきたのです。今回は初代はやぶさと違いトラブルもなく完璧の旅でした。JAXAプロジェクトマネージャの津田雄一さんは「100点満点で1万点」と自己採点しました。
コロナで暗いニュースが続く中で、素晴らしい明るいニュースでした。今後はこの成果を研究に生かすとともに、この技術を次世代の人々に伝えてもらいたいと思います。
初代はやぶさは2003年に打ち上げられました。2005年小惑星イトカワに着地失敗、やり直して何とか成功しますが、機体を損傷して交信不能となり宇宙をさまよいます。JAXAスタッフが絶え間ない交信の試みを継続、やっと行方を突き止めます。ところが今度はイオンエンジンの一部が故障、帰還できなくなる可能性が強くなります。JAXAスタッフは「絶対にあきらめない」を合言葉に様々なアイデアを出し合い、2010年6月7年間60億キロの旅を終え無事オーストラリアの荒野に戻ってきました。
そのドラマが3本の映画になりました。
「はやぶさ 遥かなる帰還」渡辺謙、山崎努、吉岡秀隆主演、本格的映画でした。
「おかえり、はやぶさ」ホームドラマタッチの3D映画、藤原竜也、三浦友和、中村梅雀主演でした。
「はやぶさ/HAYABUSA」コメディタッチのエンターテインメント映画、竹内結子、西田敏行、高島正弘主演でした。私は3本とも見ました。2012年4月2日の手賀沼通信ブログに書きました。
今回は完璧すぎて映画にはなりません。津田さんは初代はやぶさチームのメンバーでしたが、「もう映画は作らせない」とコメントしています。
2020年5月 6日 (水)
NHKがケネディ大統領暗殺事件を解明したか?(NO.1341)
2020年4月29日と5月2日に「NHKスペシャル 未解決事件File JFK暗殺」が2回にわたって放送されました。その内容は長年の間未解決事件として謎に包まれていたケネディ暗殺事件の真相に迫ったものでした。
アメリカ第35代大統領は1963年11月22日にテキサス州ダラスを訪問、車で移動中に近くのテキサス教科書倉庫ビルからライフル銃で狙撃され暗殺されました。
その日は日米初のテレビの宇宙中継が始まった記念すべき日で、アメリカからの初の映像としてジャックリーン夫人の隣に座っていたケネディが撃たれる生々しい映像が映し出されました。57年前のことです。私は妹の結婚式に出席するため愛媛県伊予市の実家に帰省中でしたのでよく覚えています。
狙撃犯として間もなくリー・ハーヴェイ・オズワルドが逮捕されました。ところがその2日後、オズワルドがダラス・シティ・ホール内でジャック・ルビーに銃で撃たれ死亡しました。オズワルドは死ぬ前に「私ははめられた」という言葉を残しました。
事件後オズワルドが単独犯だったか、あるいは背後でオズワルドをそそのかした陰謀があったのか、いろいろな憶測が流れました。
政府がウォーレン委員会を設けて真相解明に当たりました。1年後出されたウォーレン報告は「事件はオズワルドの単独犯で、事件に絡む内外の陰謀は一切なかった」と結論づけました。犯行の動機については一切触れていません。
その後オリバーストーン監督がケビン・コスナー主演で「JFK」という映画を作り事件解明に一石を投じています。私も封切りを待ちかねて見たのを覚えています。
NHKの番組では、ウォーレン報告に真っ向から反対し、オズワルドに犯行をそそのかした陰謀があるとしたのです。私はこの番組を見ていて大変驚きました。当事国のアメリカでもまだ解決していない事件について、ほかの国のテレビ局が実名を出して犯人をほぼ決めつけることがあってよいのだろうかと思ったのです。
番組の概要は次のようになっています。
ケネディ暗殺はCIA(Central Intelligence Agency アメリカ中央情報局)が組織的にかかわったことではありません。CIAの中のケネディ大統領にいろいろな理由から敵意を抱いているグループが、オズワルドを脅迫して犯行をやらせ、しかも陰謀ではなく単独犯だと世間に信じこませたのです。「CIAの一部が暴発した」と元CIA高官のロルフ・ラーセンが内部告発しました。
そのグループはケースオフィサーと呼ばれる人たちで、ジェイコブ・エスターライン、ウォルトン・ムーア、ジョージ・ジョニーテスの3人です。3人はいわば脚本家であり演出家です。
彼等はジョージ・モーレンシュルツやホセ・ラヌーザなどを使って、オズワルドに犯行をやらせ、世論にオズワルドの単独犯と信じさせたのです。オズワルドは幼いころから貧困と孤独に苦しみ、15歳からマルクス主義者、ソ連に亡命経験、など、大統領の暗殺を企てるのに最もわかりやすい犯人像だったのです。それを番組ではドラマとインタビューなどで構成していました。
番組の最後に、トランプ大統領が、何を恐れてかこの事件に関する政府の資料公開をいったん約束しながら拒否したこと、CIAがNHKの取材に対して「国家安全上の理由があるため一部の資料は公開できない」と答えたこと、57年にわたって事件を追い続けているワシントンポスト紙の記者のジェファーソン・モーリーがケースオフィサーの上に立つ人物を調査中であること、を述べていました。
見終わってなるほどと思わせる番組でした。アメリカがどういう反応を見せるか興味津々です。
2019年2月23日 (土)
はやぶさ2号リュウグウに着地(NO.1211)
平成31年2月22日、探査機はやぶさ2号が地球から約3億4000万キロ離れた小惑星リュウグウへの着地に成功しました。石や砂などの試料の採取に成功した可能性が高い模様です。
着地はきわめて精度で行われ、宇宙分野における日本の高い技術力を世界に示しました。
はやぶさ2号は2014年12月3日に打ち上げられました。リュウグウ到着までに要した総飛行距離は32億キロに及びました。直径わずか900メートルのリュウグウに正確に到着するのは、日本からブラジルにある直径6センチの的に当てるようなものと言われています。
初代はやぶさの経験を踏まえて、イオンエンジンや制御装置などに改良を重ねました。初代はやぶさを経験した若手メンバーがチームの核となり、あらゆるトラブルをの可能性を訓練でつぶしたそうです。
リュウグウには生命の材料となる水や有機物があるとみられ、試料の分析により太陽系や生命の起源の解明に近づくと期待されています。
はやぶさ2は今年7月までに最大であと2回資料の採集に挑みます。うち1回は、上空から強力な弾丸を地表面に打ち込んでクレーターを作り、風化していない地中の砂を採取する世界初の実験を試みます。
そして今年11~12月に地球に向けて出発、20年12月に地球に戻ってくる予定になっています。
今度は迷子にならず、スケジュール通り戻ってくるよう祈っています。
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